ふしぎのトビラ

2007年6月9日(土)放送 〔第15回〕
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植物からできた唯一の宝石・琥珀(こはく)

アメ色の神秘的なかがやきをもつ「琥珀」。岩手県久慈(くじ)市は世界有数の琥珀の生産地です。昔はその破片は粉末にして燃やし「虫よけ」として使われ、かたまりは古墳(こふん)時代から装飾品(アクセサリーなど)に加工されてきました。久慈地方の琥珀は恐竜の化石などと一緒に掘り出されることからおよそ8500万年前のもので、しかもその頃このあたり一帯は海岸線だったと考えられます。では、「琥珀」って一体何?どうやって出来るもの?

その鍵をにぎっていたのは、なんと!植物の「南洋スギ」。およそ8500万年前は、亜熱帯(あねったい)の気候で、木はとても大きく・木を傷つける害虫もたくさんいました。その傷から出た南洋スギの樹脂(じゅし)が海に流れ落ち、土砂に密閉(空気などにふれない状態)されて化石になったものが久慈の「琥珀」。 植物からできた唯一の宝石「琥珀」は、恐竜時代の森の大きさを現代に伝える美しいタイムカプセルなのです。
植物からできた唯一の宝石・琥珀

植物からできた唯一の宝石・琥珀
ふしぎな物体・鉄

山形には1000年の歴史を持つ伝統工芸品・山形鋳物(いもの)があります。その山形鋳物の鉄瓶(てつびん)でお湯をわかしてお茶をいれると、甘みやまろやかさが増しておいしくなると言われます。この山形鋳物の素材は日常生活でも身近な「鉄」。鉄はかたく冷たい金属ですが、熱を加えることによってやわらかく溶けたり、さらにかたくなったりするという性質を持っています。

自動車の部品などに使われる鉄に熱処理(ねつしょり)をする会社があります。そこでは鉄に熱を加え、急そくに冷やしたりすることで鉄を強くし、長持ちするようにしたりしているというのです。鉄は、鉄≠ニ炭素(たんそ)≠ニいう2つの原子(げんし)でできています。熱を加えていくと、鉄の原子と原子の間に炭素の原子が入り込んですきまがなく混ざります。それが鉄を強くかたくする秘密でした。この方法は、昔から続く刀作りにも使われている伝統の技術でもあるのですよ。
ふしぎな物体・鉄

ふしぎな物体・鉄


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