■“紅花”のひみつ
東北四大祭りのひとつ「山形の花笠(はながさ)まつり」。 そこで踊られている“花笠おどり(五穀豊穣を願ったもの)”に使われている山笠についているのは、江戸時代からの山形の名産品“紅花”(べにばな)。紅花は花の部分をつんでもみ洗いをして少しおいてから乾燥させて“べにもち”というものにし、きものなどの染め物の染料(せんりょう)として使われてきました。色落ちしにくく、とてもきれいな赤色に染まるのです。昔はとても高価(こうか)で、べにもち1枚は米1俵(ひょう)の価値(かち)がありました。
ここで疑問。染めたものは赤ですが、つみとる前の咲いている紅花はなぜ黄色?
紅花には「発酵(はっこう)」という化学変化が関係していました。発酵とは、菌(きん)などの微生物(びせいぶつ)がもともとの成分(せいぶん)を分解(ぶんかい)・合成(ごうせい)をして、新しく別の成分に変化させてしまうこと。この力がはたらいて、紅花の黄色の成分は赤色にかわるのではないかと言われています。そのメカニズムのすべては、まだあかされていないふしぎなのです。でも昔の人たちは、経験(けいけん)の中でそのすてきな使い方を思いついたのですね。
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