ふしぎのトビラ

2007年9月8日(土)放送 〔第18回〕
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“紅花”のひみつ

東北四大祭りのひとつ「山形の花笠(はながさ)まつり」。
そこで踊られている“花笠おどり(五穀豊穣を願ったもの)”に使われている山笠についているのは、江戸時代からの山形の名産品“紅花”(べにばな)。紅花は花の部分をつんでもみ洗いをして少しおいてから乾燥させて“べにもち”というものにし、きものなどの染め物の染料(せんりょう)として使われてきました。色落ちしにくく、とてもきれいな赤色に染まるのです。昔はとても高価(こうか)で、べにもち1枚は米1俵(ひょう)の価値(かち)がありました。

ここで疑問。染めたものは赤ですが、つみとる前の咲いている紅花はなぜ黄色? 紅花には「発酵(はっこう)」という化学変化が関係していました。発酵とは、菌(きん)などの微生物(びせいぶつ)がもともとの成分(せいぶん)を分解(ぶんかい)・合成(ごうせい)をして、新しく別の成分に変化させてしまうこと。この力がはたらいて、紅花の黄色の成分は赤色にかわるのではないかと言われています。そのメカニズムのすべては、まだあかされていないふしぎなのです。でも昔の人たちは、経験(けいけん)の中でそのすてきな使い方を思いついたのですね。
紅花のひみつ

紅花のひみつ
海辺のサンド・オブ・ミュージック?

カエルのなき声のような、何かをこすったようなふしぎな音の正体は?・・・たどりついたのは宮城県・気仙沼大島。島の子供たちがつれていってくれたのは十八鳴浜(くぐなりはま)です。砂をけるように足ぶみすると!鳴りました「キュッキュッ」。 そう!これは“鳴り砂(なりすな)”なんです。でもどこから見てもふつうの砂。別の浜でやってみても音はしません。どうして十八鳴浜の砂は音がするの?

音を出しているのは、砂の中にふくまれている“石英(せきえい)”。このあたりには石英をふくんだ大きな岩があります。だから砂にも石英がまざっているのです。さらに、ポケットビーチと呼ばれる形の浜なので砂が波に運ばれていったりもどってきたりを何度も何度もくりかえすうちに石英のとがっている部分がけずられてまるくみがかれていくのです。その石英がたくさんはいっている砂をふむと・・・石英どうしがこすれて、その瞬間音をだすのです。鳴り砂って自然が作った楽器のようですね。
※十八鳴浜の砂は気仙沼市の天然記念物に指定されており、採取は禁じられています。番組では特別に許可を取ってお借りしました。
海辺のサンド・オブ・ミュージック

海辺のサンド・オブ・ミュージック


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