ふしぎのトビラ

2007年10月13日(土)放送 〔第19回〕
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この木なんの木?ふしぎな木

青森県・下北半島の猿ヶ森(さるがもり)に『埋没林(まいぼつりん)』という不思議な林があります。何千年も前に、青森ヒバの木が枯れたままの姿で風が運んできた砂にうまり、なんと!くさらずにそのままの姿で出てきた林のこと。どうしてくさらなかったのでしょう?そこで実験!他の種類の木とヒバの木を菌を培養(ばいよう)している入れ物に入れて35度の温度で雑菌がふえる様子をかんさつしてみると・・・他の種類の木のまわりにはふえているのに、ヒバの方はきれいなまま。

青森ヒバには、細菌(さいきん)や虫をよせつけず、くさりにくいという性質があるのです。これは、ヒバの木の中心からとれるヒバ油に、“ヒノキチオール”とよばれる成分(せいぶん)が入っているから。埋没林にもその成分が働いていたのです。
ヒバの木を使って建てている“岩木山神社”も、400年以上たっても傷(いた)むことなく立派な姿を残しています。さらに、今ではお風呂のイス、まな板、お線香など、私たちの生活の中でもヒノキチオールは活躍しているんですよ。みんなも身のまわりでさがしてみてね。
この木なんの木?ふしぎな木

この木なんの木?ふしぎな木
ゴミの山は宝の山?!

宮城県・東松島市宮戸島にある『里浜貝塚(さとはまかいづか)』は日本最大級の貝塚。縄文時代(じょうもんじだい)の人々が捨てたゴミが積みかさなって出来た遺跡(いせき)です。
※遺跡は昔の人々の食事や生活、活動のあとがのこっている場所。

でも、日本の土は酸性(さんせい)が強いせいで、動物の骨もなかなか残りにくいのですが、ここでは一緒にすてられていた貝がらのおかげで様々なものが見つかりました。貝がらにはたくさんのカルシウムという成分があります。これは酸性と反対の性質をもっていて、一緒にうまった時に酸性の働きを弱めてくれたというわけ。

ここでは人の骨や魚の骨、土器なども掘り出されました。オノとして使っていたという石を使いみんなで挑戦してみると、交代で続けること1時間かかってようやく1本の木を切りたおすことができました。また、このあたりは海沿いなのにシカの角やそれをけずって作った釣り針も多く見つかりました。つまり、シカがとれる山のほうに暮らす人たちと物と物の交換でシカの角を手にいれたと考えられます。貝塚は縄文人が様々なものに感謝をして“死と再生”をいのる場所。これを研究することで私たちの知らない大昔のくらしがわかるのです。
ゴミの山は宝の山?!

ゴミの山は宝の山?!


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