ふしぎのトビラ

2008年12月13日(土)放送 〔第33回〕
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木が柔らかくなる!100年の技

木に力を加えたら…割れる・折れる…曲がる!?ある技を使えば木を自由自在に曲げられるのです。ふしぎ解明に秋田県へ!大きなへら、厚いまな板もみるみる曲がる。でも、秘密は機械にかける前にありました。大きな釜に入れて蒸(む)しているのです!これは「曲(ま)げ木」と言う技術で100年以上も前にドイツから伝わった技。では、なぜ蒸しただけで曲げられるようになるの?

比較実験をしてみても、水に浸した木、熱した木では曲がりません。“蒸す”と曲がる理由は、熱と水分が同時に木の細胞に入っていくからなのです。熱されて蒸気となった水分が木の細胞の間に入り込み、バランスがくずれているところに力を加えると自由に曲げることができるというわけ。曲げてから乾かすことで、イスの背もたれに使われているようなきれいな曲線の物を作りだすことができるのです。

木が柔らかくなる!100年の技

木が柔らかくなる!100年の技
ブナの逆襲!逆転ホームラン

 続いては、蒸さなくても水分で曲がる木(※乾くと元に戻る)のふしぎ。たくさんの水を根にたくわえるので、山の天然のダムとも呼ばれる森の大切な木「ブナ」です。でも、他の木に比べて水の影響をうけやすい性質を持つために、青森ではかつて「(建築などの)役に立たない」と言われてきました。しかし!今、その性質を克服する技術ですてきな物が作られているのです。それが“ブナコ細工”

 ブナを横に切り出すと年輪が見える面はもっとも水分を吸収してしまうので、まわりからくるくると皮をむくように薄く切っていきます。するともっとも影響を受けやすい面が小さくなるので、変形しにくいのです。薄くむいた木をさらに縦に切ってテープのようにします。これをくるくると巻いて…ちょっとずつズラしてゆくと、皿やボウルに変身。これがブナコ細工です。削りかすなども出さずに木全体を材料にできるのでエコロジーの面でも注目されています。ブナコ細工は、ブナの逆襲というよりすてきな贈り物でした。

ブナの逆襲!逆転ホームラン

ブナの逆襲!逆転ホームラン



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