ふしぎのトビラ

2009年2月14日(土)放送 〔第35回〕
これまでの放送一覧|TOPへもどる
甘く見ないで!チョコレートのカカオパワー

日本で最初にチョコレートを口にしたのは、伊達政宗公から慶長使節団に命ぜられた支倉常長なのだそうです。(当時は今のような形ではなく飲み物)このチョコレートにも科学が隠れていました。なんと油性マジックで書いた文字が消せるのです!実験の為にマジックで落書きをした皿をチョコレートでこすると…きれいにとれました。これは脂質(ししつ=油分)が主な成分の“カカオバター”がふくまれているから。脂質がインクをとかして、かたまりがこする役割をしているからなのです。すごいパワー! 

 さて、手作りチョコは、湯せんでとかして固めるだけと思っていませんか?チョコレートには温度差があるのです。チョコレートにふくまれるカカオバターには6種類の結晶(17・23・25・27・33・36度でとける性質のもの)があり、湯せんして行うテンパリングという作業はいわば結晶の組みかえ。室温でとけずにパリッとし、口の中でトロッととける…つまり人間の体温に近い33度の結晶を作ればいいのです。ここで上手に作るポイント。50度の湯せんで全体がとけたら、今度は26度まで冷やしながらまぜます。再び30度の湯せんをしたら型に入れて冷やしましょう。これでパリトロチョコの出来上がり!試してみてね。

甘く見ないで!チョコレートのカカオパワー

甘く見ないで!チョコレートのカカオパワー
おでんの渋い脇役!こんにゃく

おでんからのぼる白いゆげ、たくさんの具、寒い季節の定番料理です。この定番をひそかに科学の力でささえている具、それは“こんにゃく”。さつまあげなど魚のすり身でできている“ねり物”が煮くずれるのを防いでくれているというのです。 では、こんにゃくはどうやって作られているのか?福島のこんにゃく農家に調査にいくと…原料はこんにゃくいも(いもの仲間)。これをすりおろして沈殿したものを温めて、さらに液体をまぜて固めます。

この液体がポイント。“消石灰(しょうせっかい=水酸化カルシウム)”をとかした液体です。消石灰にはたんぱく質を固める力があります。おでんを煮る時に、こんにゃくからわずかずつとけでる消石灰が、ねり物の中にふくまれているたんぱく質に働きかけているのです。こんにゃくはおいしさのみならず、おでんに欠かせない存在だったのです。

おでんの渋い脇役!こんにゃく

おでんの渋い脇役!こんにゃく



これまでの放送一覧|TOPへもどる