■すごいぞ!謎のゼンマイ織
天ぷらなどでおいしく食べている山菜・ゼンマイ。実は意外なものにも使われていました。それは“着物”。秋田県に伝わる伝統の織(おり)物「あまさぎゼンマイ織」です。名人の案内で山菜がたくさん採れる山へ入っていくと…ゼンマイは白いふわふわした綿のようなものにくるまれてはえています。この綿が織物の原料。その昔、きぬの糸がなかなか手に入りにくかった時代に考えられました。ゼンマイの綿毛をきぬといっしょにつむぎこんで織物のよこ糸にしたのです。※織物はたてとよこの糸を交差させてつくられる。
このゼンマイ織にはふしぎな力が!虫を寄せ付けないというのです。資料館にはあまさぎゼンマイ織で出来た着物があり、防虫剤(ぼうちゅうざい)を使わずにしまわれていたのに、なんと80年間虫くいなしのキレイなまんま。
秋田大学で分析(ぶんせき)してもらった結果、ゼンマイには摂食阻害剤(せっしょくそがいざい)というものがふくまれていました。摂食阻害剤=がい虫の食欲をなくして食べるのを拒否するようになる効果のあるもの。織物の伝統と生活を助けたゼンマイの綿毛には、こんなヒミツがかくれていたのです。
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