■天まであがれ!でっかいでっかい紙風船
秋田県仙北市西木町には、江戸時代から続く「紙風船上げ」という冬のまつりがあります。紙風船の大きさは、幅3メートル、高さは6メートル。かつては、風にのって秋田から岩手県までとんでいったこともあるこの巨大な風船には科学の力が働いていました。実は『空気は温めると軽くなる』という性質を利用しているのです。
紙風船の下に灯油がしみこんだものをくくりつけ、火をつけます。どんどん温かい空気が風船の中にいっぱいになると空高くあがっていくのです。ただし、灯油の量を調節しているので数百mあがった所で火が消え、冷めて落ちてくるようになっています。
また、秋田地方気象台ではゴムの風船を気象の観測に利用しています。取り付けている計測器から上空の細かい気圧などの情報が届きます。これは30kmくらいの高さまで行くと空気がうすくなり気圧が下がるため、風船の中の空気の方が押す力が強くなってしまい、どんどん膨らんで割れて落ちてくる仕組みになっているんですよ。
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