■焼きハゼで発見!魔法の煙
お正月にお雑煮は食べましたか?家庭ごとに様々な味があると思いますが、宮城のお雑煮といえば“焼きハゼ”でダシをとるのが習慣だったようです。石巻で焼きハゼ作りを見せていただきました。長面浦(ながつらうら)でとったハゼをクシにさして囲炉裏(いろり)で焼きます。出来上がり、かと思ったらまだ作業がありました。
ワラで結わえてつるし、下からけむりを当てる、つまり“いぶす”のです。これで完成。実は“いぶす”と良いことがあるというのです。木くずを燃やしたけむりで手をいぶしてみます。10分ほどいぶした手は、通常の手と比べて黄色っぽく何かを塗ったようになりました。それぞれをシートに押し付け、細菌がふえるか比べると・・・通常の手の方には細菌が繁殖、しかし“いぶした”方は増えていませんでした。
つまり、けむりには「殺菌(さっきん)=細菌などを増やさず死滅させる」の力が!ハゼなどくさったり、虫がついたりカビが繁殖しやすいものをけむりで“いぶす”ことにより長持ちさせる、保存の知恵だったんですね。だから、おいしいダシのお雑煮も食べることができるというわけ。
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