震災の記憶  未来の命を守るために 〜大川小 遺族の2年〜

 宮城県内の学校で、最も大きな被害が出た石巻市立大川小学校。地震発生の約50分後、津波に飲み込まれ、児童74人、教職員10人が犠牲となった。
 なぜ悲劇を防げなかったのか。この2年間、遺族はやるせない思いや様々な葛藤を抱えながら、日々を過ごしてきた。その一人、佐藤敏郎さん(49歳)は女川町の中学校の国語教師だ。当時6年生だった娘を失った佐藤さんは「同じ悲劇を繰り返さないために、大川小の事例は十分に検証されなければならない」と訴え続けてきた。
 しかし震災後の石巻市教育委員会の検証では、いまだに未解明な点が多いうえ、児童への聞き取り調査のメモを廃棄するなど様々な不手際があったことが明らかになっている。不信感を募らせた佐藤さんら遺族は国に検証への関与を要望。今年2月には文部科学省が主導する第三者委員会が発足した。原因究明と再発防止を目指し、ようやく本格的な検証が始まろうとしている。
 その一方、佐藤さんは勤務先の学校で防災教育を担当している。“未来の命を守るためにー“ 親として教員として、被災を経験した自分がいま何をすべきなのか、自問自答を続けている。
 思わず目を背けたくなるほどの惨劇を前に、私達は何を学ぶべきなのだろうか。番組では厳しい現実と向き合い続けてきた佐藤さんら遺族の姿を通して、あらためて命の尊さや、それを守る学校防災のあり方について考えていく。



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