第429回東北放送番組審議会 議事概要

■開催日 平成13年9月14日(金)
■場 所 TBCホール
■出席委員 不破和彦委員長、西井陽子副委員長、星川滉一委員、原秀一委員、有馬哲夫委員
菅原雪枝委員、大塚正宸委員、亰けい子委員、田中昌志委員

   


議事の概要

議題
・テレビ番組「ZONE」〜世界陸上2001カナダ総集編〜
・放送日時 8月26日(日) 午後6時30分〜7時00分

(局側)
・番組はスポーツを中心としたドキュメンタリーで、スポーツファンのみならず人間解析ドキュメントとして興味を持ってもらえる内容。番組タイトルの「ZONE」とは、スポーツ選手が極度の緊張の高まりの中で体験する神がかり的状態を意味する言葉で、もっとスポーツの本質を伝えたい、もっとアスリートの真の姿を伝えたいという作り手側の欲求を番組にしている。

(委員の主な発言)

◎人間解析ドキュメントというキャッチフレーズがなるほどと思った、このような番組を作る為には、信頼関係が一番大切で、鈴木監督の顔を見てても、取材される方もする方もすごい信頼関係があるんだというのが良くわかった。長い間張り付いて一緒に生活しないと描けない表情が捉えられてて人間ドラマに仕上がっている。

◎監督業の苦労、精神的辛さが良く出てたのと、室伏選手が期待され、その期待に答えることができる豊富な練習量に支えられた自信、その精神的な強さが快挙につながったと感じた。

◎スポーツというと、勝負に焦点を当ててしまうが、その表舞台の裏にいろんな人達に支えられてた面もあるし、主人公本人が一つ一つの場面で決断するときの苦悩、心の状態が直接本人から聞けており、長い付き合いと、一年以上の取材に裏打ちされた大変いい番組だ。

◎番組タイトルの「ZONE」という言葉がスポーツ競技で良く出てくるし、タイトル本来の意味の一番絞り切った真骨頂というところのニュアンスが日本人にはまだなじみが薄い。
また時間的にニュースの続きとして見てしまうので、「ZONE」というのをもっといい方法で訴える方法を考えた方がいいのではと思う。

◎NHK的な豪家きらびやかなディナーと比べると一品料理のようで、今まで味わったことのない面白い味がした。

◎全体の構成上の弱点は、2つのドラマを一本の30分の番組に詰め込んでしまったことだ。前半と後半が同じ人間ドキュメントであるにしても全く異質な感じを与える。一方の主役が監督で他方が選手個人であるという違いだけではなく、スポーツの中に表現される人間性を見る視点が全く異なっている。一本の独立した番組に作るやり方の方がよかったと思う。

◇次回開催日:10月12日(金)