第433回東北放送番組審議会 議事概要

■開催日 平成14年2月8日(金)
■場 所 TBCホール
■出席委員 西井陽子副委員長、星川洸一委員、原秀一委員、菅原雪枝委員、
大塚正宸委員、亰けい子委員、和泉長衛委員、田中昌志委員、熊谷満委員

   


議事の概要

議題
・テレビ番組「美味絶品!!三陸 海の贈り物〜アワビ・フカヒレ…究極食材俵物〜」
・放送日時 1月26日(土)〜 14:00〜14:54

(局側)
・番組は鶴見良行著「ナマコの眼」をもとに、中国の人たちが好み、今でも三陸で盛んに生産されている乾鮑、フカヒレ、乾しナマコの「俵物三品」の部分を番組化した。この三品は江戸幕府が対中国貿易の際に銅のかわりに使った重要な輸出品であり、お金に代わるものとして、中国では“乾貨”とも呼ばれた。
 ただ美味しい食のカタログという番組ではなく、気仙沼のフカヒレ、岩手県三陸町のアワビ、青森県川内町のナマコを取り上げた。また、俵物三品の歴史的考証とか、どの様に育まれてきて、現在どうなっているのか、それらに関わる人々の思いなどを、現在と過去の中で見つめてみた。

(委員の主な発言)

◎江戸時代のルーツを探るべく、案内人の林家こぶ平さんの人懐っこいキャラクターと講談調の話しが、番組に大変マッチしており、期待させるに十分な効果があった。今回の番組で、三陸というまさに自然の宝庫から発掘された“俵物”という言葉との初めての出会いがあり、大いに楽しませてもらった。

◎放送の時間帯にちょっと首を傾げてしまった。様々な番組があって、視聴者の選択するものがいっぱいある中で、いい番組を見てもらうよう配慮が必要だし、宣伝の仕方も工夫しなくてはならない。

◎生まれ育ったところの話しなので、非常に興味と関心をもって見た。地域の文化というものと、歴史のロマンを感じさせるスケールの大きい番組だった。その地域に住んでいても普段気付かない分かりにくいことを、うまく解説しながら、自分たちの育った地域に誇りが持てるような内容で組み立てられていた。

◎歴史もよく調べられていた。製造現場の人の動き、表情がうまく表現されていた。歴史とドキュメントがうまくマッチしていて一気に見てしまえるいい作品だった。ただ、最後の締めの料理は、中国料理でも珍味中の珍味であり、最高の料理なので、もっと豪華に、一流の店で、美味しそうに見せて欲しかった。

◎東北に暮らしてて嬉しいことの第一は海の幸が大変豊かであるということだが、この番組で改めて実感した。それもまさに昔から江戸時代からで、その中から世界に誇れる“俵物三品”というような別格の食材が生産されており、その素晴らしさが感じられて東北の魅力を再発見させてくれた気がする。

◎以前中国に行き、中華料理の材料となっているアワビとかフカヒレが東北の三陸海岸の方から輸入しているんだという話を聞いていたが、それが番組の中で実証されていた。要望として、その食材を使って地元ならではの活用の仕方、料理の仕方も紹介して欲しかった。

◇次回開催日:3月8日(金)