第436回東北放送番組審議会 議事概要

■開催日 平成14年5月10日(金)
■場 所 仙台国際ホテル
■出席委員 不破和彦委員長、星川滉一副委員長、原 秀一委員
菅原雪枝委員、大塚正宸委員、亰けい子委員
田中昌志委員、佐々木孝行委員、阿部育子委員


   


議事の概要

議題
・ ラジオ番組「ニュースきのう・今日・明日」〜メディア規制とジャーナリズム〜
 放送日時 4月7日(日)午前7時10分から30分


(局側)

先ず局側から国会に上程されている「個人情報保護法案」「人権擁護法案」「青少年有害社会環境対策基本法案」の、いわゆるメディア規制3法案は、日本民間放送連盟をはじめ、主要なメディアがこぞって反対を表明していて、 国民の財産である「表現の自由」「知る権利」を侵すおそれがあるなどの説明がありました。このあとこの法案について各委員から意見がだされました。

(委員の主な発言)

◎ 私たちを脅かす、危険なものだ。国民として阻止しなくてはならない。戦前に戻るのではと心配だ。戦争になったのも知る権利、表現の自由が奪われたからである。

◎ 一社ではたいしたことがなくとも、松本サリン事件,ダイアナ妃の集中豪雨的な過剰取材は脅威だ。メディア側の対応が一過性のものとして、同じ過ちを繰り返しておりメディア側にも責任がある。メディアの力は強大だけに今後とも公正な力を発揮して欲しい。

◎ 重い議題だ。毎日のように何通かのダイレクトメールが届く。一体その個人情報はどんな風に流れているのか。建て前からは法案もいいのかと一瞬思ったが、個人情報を隠匿するのではなく上手に利用するのも必要だ。基本原則としての義務規定、メディア、報道の定義もあいまいで、国民の知る権利が、公権力による取締りにすりかえられている。

◎ 国が表現の自由を規制するのは恐怖だ。ナチスが退廃芸術の烙印を押したピカソ・マチスは今や最高の表現者である。自主自律の機関があるので阻止すべきだ。

◎ 法案の問題点がそれぞれにあいまいすぎる。

◎ 規制緩和の流れの中で、市民が出てこないで国が出てきた。報道の自由は大げさに主張すべきだ。

◎ 報道の過当競争をやめて、どのように伝えるかの競争をして欲しい。報道の立場を真摯に考えて欲しい。

◎ 大事なのは、法案の名前にごまかされてはいけないということだ。美名がついていて市民が反対できない部分がある。危険な側面と、マスコミは行きすぎていると共感を呼ぶものがセットになっている。危険な側面にもっと目を向けて欲しい。時の権力が都合の悪い情報を抑えこみたいという、その端的な表れがこの法案で、真の狙いである。民主国家でメディアを法規制する国はどこにもない。

◎ メディアの責任も否定できない。報道被害の松本サリン事件の誤報、大食い競争など低俗番組が青少年にいい影響を与えているとは思えない、そういうものに対して国民がメデイアは一体何をしているのかと思う背景が危険な法案提出のバックアップをしている。

◎ メディアは反応が強すぎる、戦前の治安維持法的影におびえ騒ぎ過ぎである。悪法であればこぞって反対すると思うのだが。報道の自由は侵すものではないが、こういう法案が出てきたのもメディア側に問題があったのではないか。メディアの側から身を正す必要があると思う。番組審議会の意義、必要性、自主規制の中心的な役割を自覚して対処する必要性を改めて感じた。

◎ 国家が自ら擁護や人権を掲げて実質的にはこれまで以上に規制を強めていこうとしている。国民として知り得る情報は限度があり、市民はメディアに対して情報を提供するとともに、メディアは国民が知り得ない情報を真実を踏まえて提供する必要がある。これは相互の間で確立されることが必要だ。問題はそこを飛び越し国家がメディアと国民の関係を直接コントロールすることにある。

◇次回開催日:6月14日(金)