第438回東北放送番組審議会 議事概要

■開催日 平成14年7月12日(金)
■場 所 TBCホール
■出席委員 星川滉一副委員長、原 秀一委員、有馬哲夫委員
菅原雪枝委員、大塚正宸委員、亰けい子委員
田中昌志委員、阿部育子委員


   


議事の概要

先ず局側から、今回の議題はTBC開局50周年ということで展開している「SEA LOVE 」キャンペーンの一環として、海との共存をテーマに制作。55年間いさば屋(魚の行商)を続けている内海みつ子さんを切り口にして、50年の間に、海と人間との関わりがどのように変わってきたのかを番組にした等の説明がありました。このあと番組について各委員から意見がだされました。


(委員の主な発言)

◎ 一人の庶民の目から、あるいは立場から見た歴史をとりあげている。民俗学的な変遷や、町の様子や商売などがどのように変遷してきたとかを丹念に拾い、価値があると思った。ライブラリーとして残すとか、教材や資料としても残せるいい作品だ。

◎ 殺伐としたこの世の中で、人の付き合いの大事さやほのぼのとしたものがこの番組から感じられて、全体的に良く調べ上げられた番組だと感じた。

◎ 音でわからないところ、例えば服装だとか物の大きさなど見たいと思うところが、大変丁寧に言葉や文章で表現されていてよかったと思った。

◎ "いさば屋"という言葉は余り馴染みがないので、早めに詳しい説明があってもよかったのではないか。

◎ 魚を売って歩くという商売の"いさば屋みっちゃん"を通して、商売というのは、人と人とのふれ合いの中から生まれてくるんだと言う事が番組の中心のテーマではなかったのかなと感じた。

◎ みっちゃんは時代に流されてきた女性だと思うが、本当にしたたかに強さをもってこれからも逞しく生きて行くだろうという姿にエネルギーを頂いたような気がする。

◎ 導入部の雰囲気が特に気に入った。最初にスタスタと歩いてくる音が聞こえて、カラスが鳴く・・・そしてナレーションが始まる。映画の導入部のような、情景が浮かんでくる非常に魅力的なイントロダクションだった。

◎ 渡波の"いさば"の"五十集(いさば)"たる所以である魚の豊富さや種類は、55年前と今でも変わっていないのか、昔は生のままで持っていってよかったのが、今は加工していないとダメなんだというような、魚をめぐる移り変わりを聞きたかったと思った。

◎ 今の若い人や"いさば屋"という言葉を全然知らない人が聞いた場合に魅力がなかったんじゃないか、果たして終わりまで聞いてくれただろうかと思った。社会的使命を終えた職業で記録的意味あいでは有意義だと思うが、もうちょっと前向きな海に関するテーマも取り上げて欲しい。

◎ みっちゃんが馴染みの客に話しかけながら魚を売る様子は、臨場感があって良いが、所々会話が聞き取りにくい部分がある。この種のラジオ番組では、聞き手側は音声を通して想像力を働かせながら理解する部分が多いので、会話の後に簡単な解説を加えるとか、聞きやすいような工夫が必要であろう。

◇次回開催日:9月13日(金)