第439回東北放送番組審議会 議事概要

■開催日 平成14年9月13日(金)
■場 所 TBCホール
■出席委員 不破和彦委員長、星川滉一副委員長、原 秀一委員、
有馬哲夫委員、菅原雪枝委員、大塚正宸委員、
亰けい子委員、田中昌志委員、佐々木孝行委員、
阿部育子委員


   


議事の概要

議題
・テレビ番組「東北放送開局50周年記念番組 青い輝きを追って 〜海を突く!モリ漁大紀行〜」
 放送日時 2002年8月24日(土)午後2:00〜3:24放送
 
はじめに局側から、TBCとして開局50周年の節目にあたり、最も大切な地球環境の一つ「母なる海」をいろいろな角度からもう一度見つめ直してみたいと考えて開局50周年記念番組のコンセプトを「SEA LOVE 」とした。番組はモリで魚を突き、魚と人が直接向き合う「突きん棒漁」を通して「海」を考えるヒントが得られないだろうかということで制作したことなど、番組趣旨の説明がありました。このあと番組について各委員から意見がだされました。


(委員の主な発言)

◎ はじめに番組のポイントがあって、タイトルがあり本題に入るという導入部分が、番組を見たいと言う興味を誘導させる効果があった。唐桑から入って台湾へ、それから日本に帰ってシチリアに行き最後に唐桑に戻るという空間の広がりや番組の幅を感じた。

◎ 配られた写真を見て、魚の大きさにおどろいてしまった。テレビの画面は小さいので、スケールの大きい番組が小さな箱の中に入ってしまうというテレビの限界を感じた。

◎ お金と人と時間を惜しまないで作ったものは素晴らしい出来栄えになる見本だと言う気がする。海そのものの圧倒的な美しさ、そのことばで表現しきれない感じ、海の持つ魅力、魔力を感じた。

◎ 息子が、突きん棒漁の父の技術を受け継いで、一人前の漁師になろうと踏み出したという、一組の親子を見つけ出したのが番組成功の要因だと思う。

◎ モリ漁という原始的な漁は、人間の本能や、全身全霊をかたむけて感覚のすべてを使っておこなわれている事に大変感動をした。「青い輝き」を追いながら自然の大切さ、親子関係を強く残すように撮影している。

◎ 海、空、朝焼けなど大変きれいな風景が随所に入っていて、海の素晴らしさがとてもよく伝わってきた。実際の突きん棒の迫力、モリを撃つ直前の緊張感が船の舳先部分で、漁師と海のショットで大変見ごたえのあるものになっていた。

◎ 1時間24分の長丁場のなかでカジキマグロを捕るシーンを何回も繰り返すのが気になりカジキマグロとランユイ島の関係、マグロ漁と海との共生、自然との関係がはっきりしなかった。

◎ 黒潮と親潮のぶつかる境界線の潮目を親切に丁寧に見せていて、上空から見た映像で本当に黒潮が黒っぽいのがよくわかった。そして選曲が心震える感じでいい曲が使われていると思った。

◎ 過去と未来は良く表れているが、未来を見せる部分が足りなかった。効率よくやっている日本の漁業は捕るだけで、海の未来、魚の未来が資源的に見てどうなるのか知りたかった。

◎ 漁師たちが海に対して、畏敬の念持ちながら、ひたむきにモリ一本で大きな魚と格闘するというところに、引きつけられていったが、佐々木親子がシチリア島を訪ねたところが、単に交流を図っただけに見え尻切れトンボで盛り上がりに欠けた感じがした。

◎ 50周年にふさわしい雄大で、広がりのある番組だった。直接海とかかわっている人たちの姿、背景の海の広さが良く出ていて、特にシチリア島のものすごく高いマストと突き台のモリ漁の船が湾内を走っている光景は、非常に素晴らしい映像だった。

◎ 資源のあり方について、いかに保護していくか、あるいは増やす方向で、この番組でどのように位置づけていくか説明があれば、記念事業の社としてのポリシーと番組がマッチング出来たのではないかと思った。

◇次回開催日:10月18日(金)