第443回東北放送番組審議会 議事概要

■開催日 平成15年2月14日(金)
■場 所 TBCホール
■出席委員 不破和彦委員長、星川滉一副委員長、原秀一委員、
有馬哲夫委員、大塚正宸委員、亰けい子委員、
田中昌志委員、佐々木孝行委員、阿部育子委員
   


議事の概要

議題
・テレビ番組 「薫さんの夢は料理人」
 放送日時 2003年2月8日(土)午後15:30〜16:00放送

はじめに局側から番組の説明がありました。
番組はレギュラー番組「体感TVぐらまらす」の特集で放送してきたが、それに新たなものを加えて30分の番組にまとめた。今回は聴覚障害者の夢を追いかけるという番組ではなく、子供とお母さんが現代ではなかなか見られないような関係になっていると感じ、母と娘の関係を中心に描いた。
このあと番組について各委員から意見がだされました。

(委員の主な発言)

◎ 一般の人、特に若者に、夢を持ってそれを実現する為に精一杯努力するということがとても大事だということをあらためて感じさせてくれた番組だと思う。

◎ 薫さんは現代の若者にはめずらしいほどまっすぐで、感受性豊かに育っていることを感じ、前向きに生きていることもわかった。そのことに感動したが、何かちょっぴり物足りなさもあった。

◎ この番組は、素材が良すぎる為に陥りかねない落とし穴にはまらずに、非常に細部に至るまできちんと丁寧に作られている。全体として緊張感が切れないできちんとまとめられているという出来栄えの良さを評価したい。

◎ 番組があまりにもきれいで、美しく、感動を起こさせるように作り過ぎているのではないかと感じた。お母さんの苦悩や愛情は、よく表れていたとは思うが、薫さんの言葉がちょっと不自然に感じたところがあった。

◎ 何か乗り越えなければならないものを持っている人というのは一生懸命生きていて、それが普通の満ち足りた生活をしている人間からみると感動を呼ぶんだと思う。

◎ 親子の関係で見ると、薫さんの夢に、お母さんがどのように関わろうとしているのかがちょっと見えない。お店を作る時の相談に乗るとか、お母さんが職業にどう関わろうとしているのかが不足しているような気がした。

◎ フリーターが増加したり、就職しても短期間で離職をする今の若者の就職事情があるようだが、そういう意味では若者に自分が将来どういう仕事に就きたいのか、何になりたいのかを探し始めるきっかけを与えてくれたのではないのかと思う。

◎ 番組は薫さんのキャラクターのおかげで、非常に爽やかで、一服の清涼剤のような番組という感じを受けた。いろんな挿話も適切に入っていて、あまりくどくなく、いい短編小説を読んだ後のような清々しいイメージを受けた。

◎ 番組を構成するにあたって、障害、あるいは障害者を持つ一人の女性に着目するのではなく、お母さんと子供の関係をテーマにしたのはよく理解できるが、もう一つ薫さんが目指す料理人として、どこまで自立の道をたどれるのかも描き出して欲しかった。

◎ 本人の成長を追うという方法が定番になっており、高校時代までは以前放映されたが、まだあまり歳月がたってなく、内容的には不足気味だと感じた。

◎30分という時間は、ややもすると人一人の人生を語るには短い枠とも思えるが、それがかえって彼女の人生を凝縮した形で見せることとなり、視聴者を飽きさせない作品に仕上がっている。欲をいえば障害のある子供を育ててきたことに対する父親のコメントも入れて欲しかった。

◇次回開催日:3月14日(金)