第445回東北放送番組審議会 議事概要

■開催日 平成15年4月11日(金)
■場 所 仙台国際ホテル
■出席委員 不破和彦委員長、星川滉一副委員長、原秀一委員
菅原雪枝委員、大塚正宸委員、亰けい子委員
田中昌志委員、佐々木孝行委員、阿部育子委員
   


議事の概要

議題
・ラジオ番組 東北放送開局50周年記念オリジナルドラマ「白い海」
 放送日時 2003年3月23日(金)午後8:00〜午後9:00

新しい年度に入りはじめに局側から、4月からのテレビ、ラジオの番組編成について説明がありました。ラジオはナイターイン編成になり、月曜から金曜の午前9時から12時までのワイド番組が「COLORS」となり、5人の個性豊かなアナウンサーが音楽と情報を発信する内容になったことや、テレビは朝の情報番組が「おはよう!グッデイ」から「ウオッチ!」にリニューアルしたことなどが報告され、このあと番組について各委員から意見が述べられました。

(委員の主な発言)

◎大人のファンタジーとしては大変に夢のある、想像力の膨らむドラマだ。霧に包まれたような、謎めいたようなストーリーは、幅広い年代の人にお楽しんでもらえるようなテーマではなかったかと思う。

◎この番組を3回聞いたが、最初に聞いた時にラジオドラマは本当に難しいと思った。ラジオの場合は聞き手の聞く力や想像力などが要求されると感じた。

◎前半から中盤にかけて単調で、ストーリー性が希薄なような感じがした。このドラマは一体何を言おうとし、どういう方向に持っていこうとしているのかイメージがなかなか湧かなかった。

◎主題の「白い海」というのが、チリのアタカマ砂漠の干上がった塩の湖という設定で、とても想像力を掻き立て、ラジオドラマにふさわしい設定だと思う。一体どういう風景が広がっているのだろうかと、イメージを膨らませることが要求されると思った。

◎映像のないラジオドラマに南米の乾いた風と白い海、塩の湖、クロッカスの 花、黄色いカーディガンの色彩が鮮やかに目に浮かんだような感じがした。目をつぶって脳裏に描いて想像するということは、普段慣れていないので、大変新鮮な思いがした。

◎1時間という長丁場の中で、私たちを引きつけ、どうなっていくのだろうと期待させるような山場が必要だが、全体に冗長になってしまった感じがした。ただそこで救われたのは榊原さんの音楽で、すごい能力の方だと感心した。

◎臨場感を持たせるために、敢えて高い音と低い音のコントラストを多くつける録音の方法をとったのが、結果的には聞き取りにくくしてしまったようだ。内容の素晴らしさが音の問題で1回では伝わってこなかった。

◎ラジオはセリフや物音、会話だけで進行していくので、リスナーの人生経験や年齢によってずいぶん浮かんでくるイメージが違うのではないかと感じた。多分番組は、若い方には好評だと思うが、高齢者には非現実的な内容は、しっくり来ないので評価があまり高くなかったんじゃないかと思った。

◎なるべくリアリスティックな状況は削ぎ落とし、あくまでも大人のファンタスティックな情景を描いた作品で、それだけいろいろな解釈を人々に与える番組だと思う。

◇次回開催日:5月9日(金)