第453回東北放送番組審議会 議事概要

■開催日 平成16年2月13日(金)
■場 所 TBCホール
■出席委員 星川滉一副委員長、原 秀一委員、菅原雪枝委員、
大塚正宸委員、亰けい子委員、田中昌志委員
佐々木孝行委員、齋藤茂雄委員


議事の概要

議題
・テレビ番組「圧巻べぇ〜物語〜仙台名物牛たん焼き、海を渡る〜」
 放送日時 2004年1月24日(土) 午後2:00〜2:54

初めに局側から番組の説明があった。毎年制作しているJNN9局ネットの番組で、仙台名物の牛たん焼きを紹介した。そのルーツや、どのような経緯で人気を博するようになったのかはあまり知られていないのではないかということで、牛たん焼きにまつわる物語を辿りながら、戦後の食文化の変遷や、人々が求めてきた食、さらには牛たん焼きに情熱を燃やす人々のドラマを見つめたいということでスタートした。海外ロケでドイツのミュンヘンを取り上げ、「血の一滴」まで食べると言われている食肉王国の、もう一つの牛たん文化についても探ってみた。

(委員の主な発言)

◎ 番組の主人公は、森尾由美や舞の海でなく、番組に出てきた東北の人たちだと思った。牛を育てていた人、塩を作っている人、炭を焼いている人、牛たん屋の親父さんたちが、自分の仕事に誇りを持っており、その姿が醸し出す温かさから、本当の主人公は東北人ではないかと思った。

◎ これまで他県の人たちに牛たん焼きの説明が出来なかったが、この番組があれば説明できると思った。戦後の食料難の時代に誕生したという説明はよく分かったが、なぜ仙台で注目されたのかというところをもう少し強調して欲しかった。

◎ この番組は娯楽性が十分にあって、しかも情報がたくさん詰め込まれていて、啓発といった機能も十分果たし得る秀作だと思う。レポーターの舞の海は、飾らない人柄、温かいハートを持っていて、爽やかで知的な会話がとても良かった。

◎ 究極の牛たんでは、最高のものには最高の仕上げでということで、塩や炭を特選していたが、牛たん焼きは戦後の貧しさから生まれた庶民の味ということなので、高級品としてではなくてもよかったのではと感じた。

◎ 牛たんに限らず仙台には様々な仙台発祥の食文化があるが、牛たんに関しても、アメリカから輸入したのがほとんどで、仙台発祥の食材などでもそのものは輸入に頼っているという現状を改めて感じた。

◎ 単なるグルメ番組ではなく、牛たんについての栄養学的な話や、誕生の背景、東北とのかかわり、そしてドイツの食文化もあり、生産者の顔もきちんと見えていた。情報エンターテインメントプラス教養があり大変勉強になった。

◎ タイトルというのはイメージとして先に入るので、インパクトも強い。ドイツの家庭とレストランのたった2つで試してみて、「海を渡った」は、視聴者にあまり期待させ過ぎたように思う。

◎ 仙台は昔から、米や、酒、魚もうまいということで、食物文化の非常に豊かなところだと思う。その中からこの牛たんが生まれたわけで、その他にも全国に誇れる仙台独特の食べ物がまだまだあり、これからも取り上げ、視聴者を楽しませて欲しい。

◎ 仙台発の味の文化が海を越えても受け入れられているという、前向きで挑戦的な、しかもワールドワイドな試みで仙台人として、誇らしく思えた人々も多いと思う。このように前向きな発信は大いに歓迎したいと思う。

◇次回開催日:3月12日(金)