第465回東北放送番組審議会 議事概要

■開催日 平成17年4月8日(金)
■場 所 TBCホール
■出席委員 不破和彦委員長、原秀一副委員長、亰けい子委員、田中昌志委員
阿部育子委員、岡崎智政委員、紅邑晶子委員


議事の概要

議題
・ラジオ番組「北へ渡ったヒーロー」 〜北朝鮮帰国事業とは何だったのか〜

平成17年度の新年度に入り、局側から4月からのテレビ、ラジオの番組編成について報告があった。続いて今回の審議番組「北へ渡ったヒーロー」 〜北朝鮮帰国事業とは何だったのか〜 について、波山次郎という人が北朝鮮に渡っていった、その北朝鮮は今こういう状況だというところから番組制作が始まった等、説明があった。

(委員の主な発言)

◎ 編集の自由さやおもしろさが生かされていたのではないかということを感じることができました。

◎ 仙台や東北高校といった地元とつながっているのだというところが、タイトル、もしくは広報のところに生かされれば、聞く方がいろんな意味で広がったのかなという感じがしました。

◎ 今回のように登場人物が多いと、真剣に聞いていないと話がつながらなくなってきまして、この番組に関しては、“ながら族”というわけにはいかなかったという気がいたしました。

◎ 取材がものすごくちゃんとしていました。これだけ長尺になると、どこかでボロが見えたりということがあったりするのですが、この番組に関しては、言ってみれば、出来ることは全部やったという感じで作られているということで、文句の言いようがないという感じがします。

◎ 地上の楽園ということで1959年から始まった帰国事業というものの実体、追放政策だったのではないかというようなことを、マル秘資料を使って謎解きのような方法で構成していて、それがとても新鮮な感じがしました。

◎ 圧巻だったのは、ピョンヤンのホテルでの、春子さんと妹さん、弟さんの会話です。これはドキュメントの強さといいますか、その会話を通して事実が次々と明らかになっていく過程が、ドラマよりもドラマティックで、そういうドキュメンタリーの強さが、とても良かったと思います。

◎ 再放送のリクエストがあるということは、多くの人々に受け入れられた番組だったと思われます。いろいろと考えさせられることの多かった番組だったと思います。

◎ 番組では「北朝鮮」という言葉で一貫して通されていますが、正式な国名を一度でもいいですから、補足的にでもいいですので、きちんと取り入れることがあってもよかった。

◎ 一般の在日朝鮮人の方からみて、この帰国事業はどういうものであったのかというところを内容として取り入れられると、「何だったのか」という問いかけに深みが出てきたと思います。

◎ 最後に拉致の問題が出てくるというのは、どうみても唐突過ぎるという感じを受けました。帰国事業と拉致問題がどこでつながるのか、どこに接点を持たせようとして最後にそれを取り上げたのかと思いました。