第486回東北放送番組審議会 議事概要

■開催日 平成19年5月11日(金)
■場 所 仙台国際ホテル
■出席委員 不破和彦委員長、田中昌志副委員長、亰けい子委員、阿部育子委員
岡崎智政委員、藤澤弘一委員、武田功委員


議事の概要

議題
・ラジオ番組
TBCラジオドラマスペシャル「プラットホーム」
 放送日時 3月26日(月) 午後8時〜午後9時

(委員の主な発言)

◎ “くりはら田園鉄道(くりでん)“は、この3月に廃線となった訳だが、その廃線と男の終焉を絡ませた人間ドラマに、栗原の地域性、歴史、自然などを織り込んだ内容の濃いドラマに仕上がっていると思う。また、効果音と音楽が、様々な場面でドラマの雰囲気を効果的に盛り上げていて、ラジオの特性を十分に生かした作品だと感じた。ただ、場面転換での微妙な“間”のとりかたに疑問を感じる個所があった。

◎ “くりでん”を単に回顧するだけでなく、人間模様を織り込みながら、鉄道に関わってきた人の思いを表現した質の高いファンタジーである。

◎ ラジオドラマを久しぶりで聞いた。聴取者が個々のイメージで、場面を想像しながら聞くことが出来るということで、改めて新鮮な感じがした。また、ドラマの主人公の「“くりでん”は、誰のものにもならない。ずっと皆のものだ」という言葉は、廃線になるくりでんに対する気持ちがよく表現された言葉だと思う。

◎ ドラマの出演者の役割が、はっきりしていて、イメージがしやすかった。また、セリフが、方言ではなく、誰でも通じる言葉なので聞きやすかった。

◎ 脚本が類型的ではないかと思った。どこかで聞いた話の集大成という感じを持ったが、全体としてまとまっているし、質の高い番組であると思う。また、セリフが東北弁でないのが良かったと思う。普通の言葉のセリフまわしなので、よく理解出来たし、余計な地域性のようなものを押し付けられることもなかった。

◎ ミステリーのような筋たてで、聞くほうとしては、色々と想像をつのらせながら、ドラマにひきこまれていった。効果音や音楽も上手に使われていて、自分の感性が研ぎ澄まされる感じがした。また、ドラマから、色、風景、匂いというものを感じとることが出来た。それが、ラジオの真骨頂なのかと思った。

◎ 番組のタイトルは、「プラットホーム」。プラットホームを利用した人々の生活や思いをふまえてドラマを作るという制作者の発想があったようだが、その思いがドラマの中で十分生かされたのか疑問の残るところがあった。

◇次回開催日:平成19年6月8日(金)