第488回東北放送番組審議会 議事概要

■開催日 平成19年7月13日(金)
■場 所 TBCホール
■出席委員 不破和彦委員長、亰けい子委員、阿部育子委員、岡崎智政委員
藤澤弘一委員、武田功委員


議事の概要

議題
・テレビ番組
TBC55周年スペシャル「17歳の響き〜津軽三味線・浅野祥の世界〜」
 放送日時 5月31日(木) 午後7時〜午後7時54分

(委員の主な発言)

◎ 浅野の津軽三味線の世界を、ドキュメンタリー的手法で仕上げた作品である。浅野の音楽は勿論、幼少時から17歳の浅野、日常生活、全国制覇に向け団体のリーダーとして仲間を激励しながら練習に励む浅野の姿など、丹念に取材しており、見ごたえのある番組だった。地元宮城の色々な分野の将来性のある人物を発掘して紹介してゆく姿勢は、地元局のミッションだと思う。

◎ 企画意図に「天才プレーヤーの素顔と熱き思いに迫る」とあったが、その目的は果たされていたのではないかと思う。夢を持つことの大切さ、浅野の津軽三味線の「音」に対する真摯な考え方、その三味線を世界に羽ばたかせようとする姿勢など、新鮮な感動を持って楽しむことが出来た。

◎ 番組の中では、音楽関係者の浅野に対する評価はかなり高いものがあるが、その評価が一人歩きしているのではないかという感じがした。人の「浅野は天才だ」と言う評価に対し、浅野自身がどう考えているかなど、もっと実証的に展開してゆくと、彼がいかに卓越した演奏家なのか、より説得力あるものになったのではないかと思う。全体的には、特別番組にふさわしい内容であったと思う。

◎ 17歳の浅野のよき人柄が理解出来たし、ひとたび演奏を始めるとプロに変貌する彼の姿がよく表現されていたと思う。また、津軽三味線の枠にこだわらない他の音楽とのコラボレーションに挑戦する彼の姿から、世界で活躍する浅野が目に見えるようで、非常に感激した。

◎ 番組として、よくまとまっていたし、音楽だけ聴いていても、十分楽しむことが出来た。ただ、津軽三味線の人口が増えていて、流派も色々あると聞いている。津軽三味線の全体的な世界の中での浅野の位置付けの説明が盛り込まれていると、浅野はその中のどういう位置にあって、どのように優れているのかというがより鮮明に理解することが出来たのではないかと思う。

◎ これぞ「ドキュメンタリー」という番組。津軽三味線の新しい可能性までも感じさせてくれた。また、家族関係のあり方についても学ぶところが多かったのではないかと思う。

◇次回開催日:平成19年9月14日(金)