第520回東北放送番組審議会 議事概要

■開催日 平成22年10月8日(金)
■場 所 TBC本社役員会議室(仙台市太白区)
■出席委員 海野道郎委員長、田中昌志副委員長、阿部育子委員、岡崎智政委員
佐々木ひとみ委員、早坂栄二委員、小島孝委員、杉浦永子委員

議事の概要

議題
・ラジオ番組  録音風物誌「大地の記憶〜砂漠の砂から生まれたガラス〜」
 放送日時 2010年5月23日(日)午前7時20分〜午前7時30分
         再放送 10月3日(日) 同上

(委員の主な発言)
頭の先から尻尾の先までいっぱいアンコの詰まった「鯛焼き」のような作品で良かった。
作者が何年もかけて見つけたことや気付いたこと、想いなどが凝縮されていて、ラジオは面白いメディアなんだと再認識した。
自然を表す鳥の声や川のせせらぎ、砂の音、工房内の作業の音、工房を公開した時の人々の気配などあらためて音の魅力を感じた。
全体の印象として、ロマンを感じた。
サハラ砂漠の砂から産み出されたガラスの色のイメージから「大地の記憶」を発見し、仙台の川の砂から産まれたガラス作品・作者の思い、「仙台ガラス」の歴史的工芸品の伝統的イメージ、それらをつなぎ合わせたストーリーから作品なりガラスを見てみたいと思わされた。
ラジオは、何かをしながら聴くというのが多いが、この番組は聞き流すには勿体ない、手を止めて聴くに十分な番組だった。
色とか音はあったが、ガラスの形について何もなく、あれば「仙台ガラス」についてもっと想像が膨らんだかなと思う。
もう少し演出のある聴かせ方もあったような気がする。
録音風物誌なので、人間の紹介でなく風物でなければならない。作者もガラスも描き切れていなかった。

(制作側の発言)
全ての情報を得た上で、これをこのように構成して作ったという番組ではなくて、ドキュメンタリーとまではいかないんですけれども、私の中では、発見を積み重ねる形となった番組でした。
あまりにたくさんの情報を盛り込みすぎて、自分の中で情報を処理しきれなかったというところです。
落とすべきところを落とさずに、必要なところを落としてしまったという部分は、今回の反省点です。
タイトルの「録音風物誌」と言いながら、最近の傾向で言いますと、いわゆる録音構成の番組ということで、季節とか、物とか、そういうことにあまり捉われずに作っている局が多くなってきています。