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ひらかな盛衰記
ほんちょう廿にじゅうこう 〜十種香じゅしゅこうだん奥庭おくにわきつねだん

 将軍足利義晴暗殺犯は誰―武田信玄、長尾(上杉)謙信、斎藤道三、山本勘助らが絡む、近松半二ほか合作の五段の時代物で、明和3年(1766)、竹本座初演。今回は、長野県の諏訪湖畔に設定された謙信の館を舞台とする、美しさあふれる四段目をご覧いただきます。
 武田家の重宝諏訪法性の兜を謙信が借りたまま返さず、両家は敵対。和睦のため、信玄の息子勝頼と謙信の娘八重垣姫が許婚に。しかし、その後、勝頼は切腹。が、実は生きていて、暗殺犯を見つけ出すべく、花作りの簑作に姿を変え、謙信の館へ潜入しました。
 絵姿を前に亡き許婚を恋い慕い、泣き暮らしていた姫は、絵姿そっくりの簑作にびっくり。恋しさを抑えられず、簑作に縋りつき、ついに勝頼その人と知って大喜びしますが、簑作の正体を見破っていた謙信が、勝頼を塩尻へ行かせ、あとから討手を―。
 何としても、討手より先に追いつき大切な許婚を救わなければ、とはいえ、凍った湖に船は出せず、陸路では間にあわず、諏訪明神に頼るほかはないと、姫は、諏訪法性の兜を前に一心に祈願。すると、明神のお使いである白狐の姿が…。氷の上を狐より先に渡れば溺れるとのことですが、狐が守護する兜があれば大丈夫なはず。姫は、勝頼に返すべき兜を手に、湖を渡ることに。
 姫の胸のときめきが聞こえるような、優美な 「十種香」、諏訪湖の「御神(おみ)渡(わた)り」を取り込んだ「奥庭狐火」では、狐が登場、早替わりもあり、舞台は熱気に包まれます。
つりおんな

 狂言『釣針』をもとに明治時代に作られ、のちに歌舞伎舞踊となった常磐津の作品を、義太夫に取り入れたもので、昭和11年(1936)、四ツ橋文楽座で初演。えびす信仰の中心地、西宮神社(兵庫県西宮市)を舞台とした、明るく、愉快な景事です。
 西の宮の恵比須様に妻を授けてほしいと祈願した大名と太郎冠者。釣好きな恵比須様のお告げは、釣竿で妻を釣れというもの。大名が釣り上げたのは、小野小町か楊貴妃かという絶世の美女。さっそく祝言をあげ仲睦まじい二人。その様子に気も焦り、大急ぎで釣竿を手にした太郎冠者は、針先について来た女性を見て、大はしゃぎ。変わらぬ愛を誓ってから、相手の顔を見ると…。


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