TBC EVENT SPECIAL

生写朝顔話 明石船別れの段・笑い薬の段・宿屋の段・大井川の段
生写しょううつし朝顔あさがおばなし 〜明石あかし船別ふなわかれのだんわらくすりだん宿やどだんおおがわだん

 お家騒動にすれ違いの恋を絡ませた物語。主人公のモデルは美男とされる17世紀の陽明学者熊沢蕃山。出会いの場で男が女の扇にしたためる朝顔の歌「露のひぬ間の朝顔…」も蕃山の作です。
 京で学ぶ宮城阿曾次郎は、武家の娘深雪と出会い、恋仲に。けれども、お家乗っ取りの陰謀を阻止すべく急遽故郷の周防へ。別れを悲しむ深雪もまた両親と安芸に帰ることになり、別々の船で西へ向かう二人が、偶然、明石浦での風待ちの間に再会。恋人と一緒に行こうとする深雪、しかし、船が動き出し、遠ざかる阿曾次郎の船に扇を投げ入れるのでした。
 その後、阿曾次郎が駒沢次郎左衛門と改名したとは知らず、深雪は駒沢との縁談を拒んで家を出、阿曾次郎を探して流浪し失明、東海道の嶋田宿で朝顔の歌を唄って露命を繋いでいます。そこに駒沢が宿泊。相役の岩代は陰謀に加担する悪者で、しびれ薬を茶に混ぜ、駒沢に飲ませようと一味の医者祐仙と画策。祐仙は、宿の主人が笑い薬にすりかえたとも気づかず、駒沢の前で堂々と毒見、こっそり飲んだ解毒剤も効かず、笑い苦しむはめに…。
 その夜、朝顔の名で呼ばれる落ちぶれた深雪の姿に衝撃を受ける駒沢。が、岩代の手前、名乗ることもできず、翌朝出立。残された扇から恋人と知った深雪は、あとを追って大井川へ。けれども、大雨で川止め、恋人はすでに渡ったあと。身の不運を嘆き、絶望する深雪を救ったのは…。
 天保3年(1832)、大坂の稲荷社内で初演、司馬芝叟の長話『蕣(あさがお)』をもとにした読本『朝顔日記』(1811)や歌舞伎による、山田案山子の五段の時代物で、今回は二、四段目から上演いたします。


昼の部・配役表

EVENT SPECIALTOP
TBC HOME