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ひらかな盛衰記
ひらかな盛衰せいすい 〜まつ右衛門内もんうちだんさかだん

 木曾義仲の忠臣樋口次郎兼光と、孫を殺された恨みを乗り越える老船頭の物語。舞台となる摂津国福島(大阪市福島区福島)は、源義経と梶原景時が、船を前後自在に動かす逆櫓の導入をめぐって争論した地と伝えられています。
 かわいい孫はいつ戻るのか、早く会いたい…。福島の船頭権四郎は、先々月、娘と孫の槌松と一緒に亡き婿の菩提を弔うため巡礼に出て大津に宿泊。深夜、宿になだれ込んだ捕り手に驚いて大慌てで逃げ出し、孫と隣の宿泊客の子との取り違えに気づいたのは、かなりたってからのこと。孫には住所を記した笈摺があり、先方から訪ねて来るはずと、子供を連れ帰って大切に養い、孫の帰りを待ち焦がれていました。
 けれども、笈摺を頼りに訪ねて来たお筆が告げたのは、孫の死。義経勢に討たれた義仲の若君と間違われ、殺されたのでした。子供を諦め、若君を返してとのお筆の身勝手な言葉に、権四郎は激怒。若君を殺そうと、最近婿入りした松右衛門に加勢を求めたところが、婿は若君の味方に。
 実は、松右衛門こそ樋口次郎兼光。婿入りして、権四郎から逆櫓の技を習い、義経の船の船頭となって主君の仇を討とうとしていたのです。縁あって我が子となった槌松の忠義を喜び、婿として、舅の怒り、悲しみに心を寄せ、若君を助け、武士道を立てさせてほしいと願う樋口。その誠意に心を打たれ、権四郎は恨みを捨てるのでした。
 夕方、海へ出て、梶原景時配下の船頭たちに逆櫓の技を教えた樋口は、正体を見抜いて襲いかかる船頭たちを難なく倒します。
幼子への思いが胸に迫る「松右衛門内」。「逆櫓」は船を漕ぐかけ声も勇ましく、三味線の演奏も人形の動きも豪快。文耕堂ほかの合作、元文4年(1739)、竹本座で初演された五段の時代物の三段目です。
だかかわ入相いりあい花王ざくら 〜わただん 〜

 道成寺(和歌山県日高郡日高川町)の安珍・清姫伝説を題材とした時代物。恋しい安珍を女に奪われ、嘆き、妬み、恨んで、大蛇と化してしまった清姫。安珍を取り殺そうと、波の荒れ狂う日高川を泳いで渡る迫力に、ご期待ください。
 『日高川入相花王』(1759・竹本座・近松半二ほか)の外題で上演される現行の「渡し場」は、素人浄瑠璃でも知られた絵師の耳鳥斎が、『道(どう)成(じょう)寺(じ)現(げん)在(ざい)蛇(う)鱗(ろこ)』(1742・豊竹座・並木宗輔ほか)の四段目の同様の場に手を加えた素浄瑠璃をもとにしたものと考えられています。


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