第3章《国芳と猫と美人たち》

~浮世絵師・国芳描く自画像、猫、美人~

猫大好きの歌川国芳は十数匹の猫を飼い、いつも懐に二、三匹の子猫を入れていました。そして、目立ちたがり屋です。その昔のアメリカのサスペンス映画の巨匠ヒッチコックのように自分の作品に自分を登場させるのです。自分の傍らに猫を描き、俺はここにいるぞ、と気が付いてもらいたいのです。けれど、恥かしがりやで自分の顔を隠しています。国芳美人は清潔感あふれるさわやかな江戸っ娘です。さすがは国芳カメラのリアリズム。美人と生活する猫の姿を生き生きと捉えています。

歌川国芳
《東都月の名所 両国の月》
天保後期(1830-44)
大判錦絵
河内屋長蔵版
歌川国芳
《鏡面シリーズ 猫と遊ぶ娘》
弘化元~二年(1844-45)頃
団扇絵判錦絵
伊場屋仙三郎版

TOHOKU BROADCASTING CO.,LTD. All rights reserved.許可なく転載を禁じます。