Ⅳ 故郷への帰還と祖国に捧げた作品群

ミュシャの後半生は、スラヴ民族とその文化への貢献に身を捧げたものでした。1910年祖国へ戻ると、晩年の大作《スラヴ叙事詩》を仕上げるために奔走します。帰郷後もポスターや紙幣のデザインをしていますが、晩年の作品に描かれる女性は、より民族主義的な雰囲気をたたえるものとなりました。また後半生の故郷においては、娘のヤロスラヴァを多く描きました。全20点の《スラヴ叙事詩》のうち1点にも、竪琴をつま弾き、こちらを見つめているヤロスラヴァの姿が描かれており、1928年に開催された《スラヴ叙事詩》展のポスターには、その構図が転用されました。4章では、ミュシャの祖国色あふれる作品群を紹介します。

〔左〕油彩画「エリシュカ」/1932年
〔左中〕ポスター「モラヴィア教師合唱団」/1911年
〔右中〕ポスター「《スラヴ叙事詩》展」/1928年
〔右〕写真「《スラヴ叙事詩》の最後に完成された作品および「《スラヴ叙事詩》展」のポスターのためのモデルとなるヤロスラヴァ(ズビロフ)/1926年

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