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とんでもないサボテンにオペ開始!
出張ガーデンです。
今回のご依頼は泉区のM.N.ぴよこママさんから。
「サボテンが大変な事になっているので何とかして欲しい」というのですが、実はサボテン……早坂先生の大の苦手分野なんだとか。
先生の事ですから知識は問題ないのですが、トゲトゲが怖いそうなんですね。
ま、僕だって同じようなもんですが。
いったい今回はどんなオペになるのか?
さっそく「患者さん」=問題のサボテンを見せて頂くと、コレがすごい!鉢を飛び出して横に横に、まるでヘビのように伸びているのです。
普通サボテンは上に向かって伸びるはずなんですけどね。不思議です!
ぴよこママさんによると、ご主人が10年ほど前に友人の結婚式のプチギフトとしてもらって来た親指ほどのサボテンが、いつの間にやらココまで大きくなってしまったとか。
それにしても何でこんな事になってしまったのかな?
早坂先生の診察では、水のやり過ぎで根っこが弱ってしまい、全体を支えきれなくなったみたいです。
そのまま子どもの株まで出て来てしまいました。
動かそうにも、支えとして使っている別の鉢ごと持ち運ぶ必要があってエラく厄介。 怖がる先生とともに、何とか屋外に運び出したのでした。
いよいよオペ開始。
先生まずは、ほそく切った段ボール紙を取り出しました。コレが今回の秘密兵器です。
サボテンはそのままだと超!痛いですから、こうしてくるんで持つというわけですね。
まずは問題の大きく伸びてしまった部分は、半分ほどの長さで切り落とします。
サボテンの断面なんて初めて見ました(早坂先生もそうでした)。
乾燥に強い植物だけあって、中にタップリと水分を含んでいる様子がよく分かります。
活着を良くするために、断面は縁の部分を斜めにそぎ落とすのが正解。
このひと手間を怠らなければ植え替えの後も元気に育ってくれるはずです。
さらに根元を掘り起こすと、衝撃の事実が!
何と、たった1本の細い根で全体を支えていたんです。
そりゃあ傾くはずですね。 ぴよこママさんは良かれと思って小まめに水を与えていたようなのですが、それがかえってサボテンを弱らせてしまっていたのでした。
次に先生が取り出したのが「岩水」。
岩石のミネラルを豊富に含んだ、植物のための栄養剤です。 500倍に薄めて、先ほど手術したサボテンの切り口に霧吹きで与えます。
そのまますぐに植え替えしてはいけません!
今回いちばん大事なポイントがあるんです。
それは、強光線に当てて乾かす事。
サボテンは「1日1mm」だそうです。
切り口の直径が1cm、つまり10mmなら10日間。
10cm=100mmなら100日かけて乾かすのですね。
ずいぶんと気の長い作業のように思えますが、コレだけの大手術をしたのですから事後処置もしっかりやらないといけません。
短いロケ時間ではとても乾燥するまで待ってはいられないので、今回はとりあえずの完成見本を作る事にしました。
細かくて水はけの良いサボテン用の土を入れたら……植物の表面が乾燥しやすいよう、砂利で覆います。
いちばん大きな本体部分は、根がきちんと張るまで割り箸などで支えましょう。
ぴよこママさん、この状態を目標に、夏の間じっくり乾かして下さいね。
今回は植物の生命力をひしひしと感じる出張となりました。
あの太いサボテンがたった1本の根で支えられていたばかりか、方向はおかしくても一応はグングン成長していたわけですから。
あっぱれなサボテン!いつまでも元気に育つ事を願ってやみません。
ちなみに今回ご紹介した「岩水」は早坂先生のマイブームだとかで、スタジオにも持って来て下さいました。
例えば野菜の植え付けの時などに、土や苗にシャシャッと霧吹きするだけでOK。
養分を含んでいるうえ殺菌効果もあるらしく、先生もオススメの一品。
ぜひ皆さんもお宅のガーデニングに試してみて下さい。
スタジオでは、肉厚で流線型の甘〜いトマト「アイコ」の苗を、コンパニオンプランツ(組み合わせて植えると病害虫の防除や生長の促進といった作用がある植物同士の事)でもあるバジル&セージと一緒に植えました!
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