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バラ生産農家 つづく復興への歩み
ウォッチン畑でもお世話になっている多賀城市八幡のバラ生産農家、大江冨之さん。 震災が起きてから、何度か番組で追いかけて来ました。今回は、さらなる復興の1歩です。
大江さんの水耕栽培用ハウスは震災で津波が押し寄せ、甚大な被害を被りました。
19年間、親子2代で築き上げて来たものが一瞬のうちに奪われたのです。
震災後しばらくして潮とヘドロの臭いが立ち込めるハウスに入り、僕と早坂先生は言葉を失いました。
しかし、2週間以上水を与える事ができなかったにも関わらず、新芽が出ていた株もありました。
被害の大きさを知って駆け付けてくれた、農協などの仲間達に支えられながら撤去作業が行なわれ、6棟あったハウスのうち4割ほどが生き残りました。
大江さんは、それらのバラを前に「復興の義務がある」と自分に言い聞かせるように語ってくれたのでした。
あれから数ヵ月。震災から間もなく半年という残暑の残る日に、早坂ひろみ先生と一緒に大江さんのハウスを訪れました。
バラは、向き合い続けて来た大江さんの思いが通じ、ようやく出荷できるまでの品質に育ってくれていました。半年前は、台木のコブしかなかったのに……。
何より、ハウスに入った瞬間の「におい」が違う!
バラの甘い香りと、植物が一生懸命成長しようとする命のにおいを感じる事が出来ました。
大江さんの思い、そしてバラ達の張り。両方がそろって成し遂げられた奇跡です。
震災前に生産していたのは、6品種。残った4つの品種を随時生産できるよう、日々励んでいます。
本数は決して多くないかも知れません。生産者である以上、様々な生育ステージを設けて通年出荷できなくてはいけない点も現状ではまだまだだと言います。
それでも大江さんは「バラは祝い事に使う特別な花。日本でいちばん求められるバラを育て、1人でも多くの人を笑顔にしたい」と、力強く誓ってくれました。
最後に大江さんのお父さん・冨士夫さんから、早坂先生にサプライズでバラの花束のプレゼントが!
思わず涙の、ひろみ先生……。
美しいバラ達は、生放送のスタジオに飾らせて頂きました。
大江家の皆さん、ありがとうございました。
これからも応援させて頂きます!
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