悠久の時を超え
奈良と東北の至宝が一堂に!
2011年3月11日午後2時46分、未曾有の被害をもたらした東日本大震災が発災。
あの日から十二年となる本年、「東日本大震災復興祈念 悠久の絆 奈良・東北のみほとけ展」を開催する運びとなりました。
本展では、幾度となく人類を襲った地震などの自然災害や、人々の争いによって生じた兵火を乗り越え、大切に守られてきた〈奈良〉と〈東北〉の寺宝・60件(国宝12件、重要文化財27件)が展示されます。
1300年前の奈良時代の人々が願った「救済」。その思いは法隆寺、西大寺、唐招提寺などに伝わる寺宝に込められました。この精神を受け継いだ古代・中世の東北の人々は、優れた仏教美術を生み出しています。本展を通じ苦難に立ち向かった人々の「祈りの形」を体感していただければ幸いです。
震災から十三回忌となる年に開催する本展が今を生きる人々の喜びや、これからの営みの"よすが"となることを切に願う次第です。
「絆とうほく~復興への祈り」 実行委員会
薬師如来と観音菩薩は古代に東北地方で多く造られました。苦難に立ち向かう古代の人々がこれらの仏像へ寄せた期待を振り返ります。また、古代に人々の信仰を集めた仏教世界の神・天たちの活躍を紹介します。
十一面観音菩薩立像
(福島県・勝常寺 重要文化財)
画像提供 湯川村教育委員会薬師如来坐像
(福島県・勝常寺 国宝)
画像提供 東北歴史博物館
※5月9日(火)からの展示
奈良時代以降、時を経て繰り返される聖徳太子への思いやその美術を紹介します。また、幾多の困難を乗り越えて来朝し、仏教を伝えた鑑真の偉業、姿と旅を振り返ります。
鑑真和上坐像
(唐招提寺 国宝)
©飛鳥園
※5月21日(日)までの展示
5月30日(火)からはお身代わり像の展示釈迦如来及び脇侍像
(法隆寺 重要文化財)
©飛鳥園法隆寺金堂壁画(模写)
第6号壁阿弥陀浄土図(秋田県・大仙市)
鈴木空如筆 昭和11(1936)年
※5月14日(日)までの展示
5月16日(火)からは
第10号壁薬師浄土図へ展示替え
西大寺を復興した叡尊は、清凉寺の釈迦如来像を深く信仰し、その姿を写した像を本尊としました。またその弟子忍性は文殊菩薩を心から敬愛しました。世の窮民の救済に邁進した叡尊と忍性ゆかりの仏像と肖像を通し、弱き者に寄り添う精神を伝えます。
釈迦如来立像
(龍宝寺蔵・仙台 重要文化財)
画像提供:仙台市博物館興正菩薩坐像
(西大寺 国宝)
画像提供:西大寺
※5月30日(火)からの展示
故人を悼む気持ちから造られた仏像を通して、古代の人々の精神に触れます。743年に災厄から日本を護るために造られた東大寺大仏の思想と美術、また、平家の焼き討ちによって焼失した南都の主要寺院の復興を成し遂げた僧・重源の思想が生み出した美術を紹介します。
天寿国繍帳
(奈良県・中宮寺 国宝)
画像提供 奈良国立博物館
※5月23日(火)からの展示重源上人坐像
(三重県・新大仏寺 重要文化財)
画像提供 奈良国立博物館
唐招提寺の如来形立像は「唐招提寺のトルソー」として、明治以来人々の思いを集めてきました。その展示を通し、困難な状況にあっても存在価値を失わない仏像の姿を紹介します。
如来形立像
(奈良県・唐招提寺 重要文化財)
画像提供 奈良国立博物館