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涙そうそう 涙そうそう


涙そうそう
(C)2006「涙そうそう」製作委員会

■□泣いても、泣いても――
□■溢れ出す、君への想い。

2001年、沖縄。いつか自分の飲食店を出すという夢を持ち、ひたむきに生きる働き者の青年・新垣洋太郎(妻夫木聡)。沖縄の青空のように明るく、おおらかな性格の洋太郎だが、この日はいつにも増して陽気で、仕事をしながらたえず笑顔がこぼれている。それもそのはず、洋太郎が誰よりも大切にしている妹のカオル(長澤まさみ)が、高校に合格し、オバァと暮らす島を離れ、本島にやって来るのだ――洋太郎が8歳の頃、母・光江(小泉今日子)の再婚によって、洋太郎の妹になったカオル。だが、養父は姿を消し、母も幼い兄妹を残して天国に旅立ってしまった。以来、洋太郎は、「カオルはひとりぼっち、どんなことがあっても守ってあげるのよ」との母の遺言を胸に生きてきたのだ――。そして今日から、ふたりは、洋太郎のボロアパートで一緒に暮らし始めるのだ。船着場にカオルを迎えにいく陽太郎は、久しぶりの再会を前に、どこか落ち着きがない。そんな洋太郎を見つけて、満面の笑みで手を振るカオル。無邪気に兄を慕う様子は昔のままだが、16歳になったカオルの大人びた美しさに、洋太郎は驚き、呆然とする。ふたりっきりの兄妹の切なくも儚い小さな歴史が始まった…。
●監 督土井裕泰
●出 演妻夫木聡、長澤まさみ、麻生久美子、塚本高史、中村達也、平良とみ、小泉今日子  他
●データ2006年/日本映画
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IMPRESSIONS
映画の批評コーナー。 は3段階評価です。
ネタバレの危険がありますので、内容を知りたくない方はご注意ください。

<評>★★
■あだち充原作作品への主演が続く長澤まさみだが、血のつながらない兄妹の情愛を描くとなったら「涙そうそう」は「みゆき」と見なすしかないだろう。ただ、近親婚で終わったアニメの「みゆき」にも、二人のみゆきの間で揺れるだけで消化不良に終わった井筒和幸監督の映画にも共感できなかった忌まわしい過去がこのモチーフにはあるので、見る前の危惧感はあった。それを払拭したのは長澤まさみだ。天真爛漫な15歳から、落ち着いた20歳までの成長を、1作の中で身長まで伸びたのではないかと思わせるほどのリアリティーで演じてみせた。その演技あって、大人になった2人が互いに距離を置くことで愛を継続させた思いにカタルシスを感じることもできた。一方、妻夫木聡演じるニイニイは、こんなかわいそうな人生あるのかという悲惨さなのだが、死後届けられた贈り物が示すように、愛とは惜しみなく与えることという生き方を体現してみせたのであって、きっと写真の向こうで「なんくるないさ」と笑っていることだろう。これを「いま会いにゆきます」に続いて土井裕泰監督は母の思いを推進役にして、羊水を表すかのような雨の中に包んで描いた。あっけない死によって、幸福の一つの形と永遠の愛を示したという寓話なのだが、のどかな沖縄の風土はそれに現実味を与える。〔たんじ〕

<評>★★★
■も〜沖縄に住みたくなるじゃないか〜!いいな〜いいな〜人も街も風景にも癒される。皆なの笑顔が温かい。歌手、森山良子さんが、若くして天国に旅立ったお兄さんへの想いを歌にした大ヒット曲「涙そうそう」。沖縄の方言で、「涙がポロポロ止まらない…」と言う意味だそうだが、この曲の世界観をモチーフにした切なくて美しい愛の物語が映画化された!血の繋がりのない兄妹が一生懸命に手をとりあって生きた証!小さいけれど、とても幸せだった日々をキラキラと描いている!初共演とは思えない息の合った兄妹役を妻夫木聡と長澤まさみが熱演している。痛々しい程に想いあう2人にグッ…と胸が熱くなる。前半から中盤は兄と妹、そして2人を取り巻く人たちを丁寧にじっくりと描いているが、後半は、わりとあっけない・・・と?思ってしまう人達もいるのでは・・・その展開の速さをラストシーンに出てくる祖母役の平良とみが、シッカリとまとめている!さすが!最後の最後で、あの独特の沖縄弁で語りかける一言一言に観ている皆が「涙そうそう」なのである・・・家族愛、兄妹愛、無償の愛・・・たくさんの宝物が散りばめられている、この作品であるが、私は、あえて、この映画を南国悲恋物語・・・又は、「ロミオとジュリエット・・・沖縄版」と紹介したい!くれぐれもエンドロールが終わるまで席を立たないように・・・ステキなラストカットをお見逃しなく!〔シネマタイムズ編集長 菅原美話 →シネマタイムズへ

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