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日本沈没 日本沈没


日本沈没
(C)2006 映画「日本沈没」製作委員会

■□いのちよりも
□■大切なひとがいる。

潜水艇<わだつみ6500>のパイロット・小野寺俊夫(草g剛)は、地球科学博士・田所雄介(豊川悦司)の指揮の下、同僚パイロットの結城(及川光博)と共に深海調査に参加していた。その結果、小野寺は驚愕の事実を知る――海底プレートの急速な沈降で、日本列島はわずか1年後に沈没する。
日本の危機を訴える田所に、ほかの科学者たちは「聞くに値しない妄言」と一蹴する。しかし、内閣総理大臣・山本尚之(石坂浩二)は、事態を重く受け止め、危機管理担当大臣として鷹森沙織(大地真央)を任命する。鷹森はかつての田所の妻でもあった。山本総理は避難民の海外受け入れ要請のために旅立った。時を待たず、北海道を皮切りに九州から内陸へと地殻変動の波が日本列島全土に襲いかかる。非常事態宣言が発令され、退路を求め逃げ惑う人々。避難計画を急ぐ鷹森の努力も空しく犠牲者は増大するばかりであった…。
●原 作小松左京(小学館刊)
●監 督樋口真嗣
●出 演草g剛、柴咲コウ、及川光博、福田麻由子、國村隼、石坂浩二(特別出演)、豊川悦司、大地真央  他
●データ2006年/日本映画/135分
LINE
IMPRESSIONS
映画の批評コーナー。 は3段階評価です。
ネタバレの危険がありますので、内容を知りたくない方はご注意ください。

<評>
■沈没していく日本には強烈な地震、巨大津波、大火砕流や激しい火山弾、山崩れなどの自然の猛威や建物崩壊、火災、交通機能の麻痺などが各地で発生し大変なことになります。しかしまったく災害の恐怖や命の尊さが伝わらない映画でした。最後には話が無理やりナンセンスな自己犠牲にすりかわっていて愕然としました。〔沈没〕

<評>
■冒頭の静岡の地震からは、おお、これは、、、という期待があったが、その後、地震が本格的になってからの、草なぎ・柴咲のパートがリアリティが感じられず、途中からまったく乗れなくなった。 特撮パートはがんばってたと思う。政府パートもよしとしよう(石坂浩二の死があまり生かされてなかったけど)。草なぎ君は、豊川教授にクビにされてからずーっと何やってたの?とか、柴咲さんはなぜ行きたい場所へ適確に行けるの?とか。 嘘をつくにも上手に嘘をついてくれないと、だまされる方もいろいろとたいへんです。 今生きている大地が、人為的手段で他者に奪われてしまうのではなく、すべて消失してしまうという題材から導かれたテーマが、愛する人を守りたい、でもそれはそれでいいんだけど、それだったら他の題材でもよかったのではないかと思う。〔しろ〕

<評>★★
■パッと見は愛をテーマになかなか良く出来ている内容だと思うが、理詰めで観る私にとっては「嘘でしょ?」「在りえない!」と言った場面が多々あり苦笑の連続。結末は「アルマゲドン」を彷彿させ、山へ避難する場面は「ディープ・インパクト」かな?ラストの大地真央の演説は「インデペンデンス・デイ」だよね。特撮が良く出来ているのと飽きずに観る事が出来たのでおまけで星2つにしてみました。〔クマのプー太郎〕

<評>★★★
■どこの批評も前作との対比があって平成版の違いと表現にスポットが当てられている。確かに前作の存在は非常に重いものがあった。劇場内の緊迫感も半端じゃない。せりふのたびに館内にどよめきが…私が前作で一番印象に残ったシーンが今回解釈は別として再現されていた。前作で首相の丹波哲朗が目を真っ赤にして「なにもせんでええ…」という鬼気迫るシーンである。これが前作の空気そのものだ。そんな作品のリメイク。嬉しいことに全く別物になっていた。話の構成がハリウッド的だなあとは思ったけど、外国のマーケットを考えるとむしろ良かったのかも。しかし今の邦画界で天変地異をこれだけのエンターテイメントに仕上げられるのは樋口監督しかいないのではないか。「特撮」も最高レベルだろう。樋口監督が特撮を手がけた「ガメラ2」で仙台を消滅させたシーンに度肝を抜かれたのが「こんなもん」になってしまいそうだ。途中主人公が会津に帰る酒蔵のシーンは何故か「夏子の酒」を思い出させてくれた。でもこれに出てくる「会津娘」は本当に美味い酒ですよ。仙台市内ではあまり手に入りませんが探してみてください。〔なおきん〕

<評>★★
■20年余り前に映画化された日本沈没を見て、壮大なスケールの近未来SFは原作のイマジネーションを越えられないものかと思ったものでした(森谷監督ごめんなさい)。当時の特撮技術の限界もあったし、何よりリアリティを感じられなかったのです。しかし、今作は幕開けから圧倒されました。大地震後の火災と、炎によって巻き上がる風。その中から、間一髪で救助される主人公と少女。アクション物に、ザラにあるシーンなのですが、阪神淡路大震災の生々しい記憶と重なって自身に迫り来る恐怖を感じずにいられませんでした。日本民族が直面する苦難というマクロ面のトーンを弱め、個々の登場人物の考えと行動というミクロな部分を丁寧に扱うことでストーリーをうまくまとめています。明日をも知れぬ危機に直面した時に人はどう行動するか・・・理性的になろうとする?ただただ自分の身を守る?隣人を思いやる?端的な行動に現れる前に、一人の人間の中で様々な葛藤があるはず。そういった面をしっかり描こうという意図が伝わってきますし、上手に表現されていたように感じました。個人的には、全国に被害が続出し交通網が寸断さている中で、神出鬼没の勢いであちらこちら動き回る主人公の草なぎ君がスーパーマンに思えて仕方ありませんでした(1日何キロ歩いたのだろう?)。〔TBC佐竹〕

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