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ただ、君を愛してる ただ、君を愛してる


ただ、君を愛してる
(C)2006 「ただ、君を愛してる」製作委員会

■□生涯ただ一度のキス
□■ただ一度の恋

大学の入学式の日、誠人(玉木宏)は道端で、個性的な女の子・静流(宮アあおい)に出会う。“コンプレックス”がゆえに人と接することが苦手な彼だったが、彼女とは自然に打ち解けることができた。一方、静流は、写真が趣味である彼のただそばにいたいそれだけで、自然とカメラを手にするようになる。そして二人はキャンパス裏の森で写真撮影のための時間を共に過ごす日々をおくる。しかし、静流は、誠人に片思いの同級生がいることを知る、コンクール用の写真撮影をした後、彼の前から姿を消してしまうのだった・・・。
●原 作市川拓司
「恋愛寫眞 もうひとつの物語」
(小学館刊)
●監 督新城毅彦
●出 演玉木宏、宮アあおい、黒木メイサ、小出恵介、上原美佐  他
●データ2006年/日本映画/116分
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映画の批評コーナー。 は3段階評価です。
ネタバレの危険がありますので、内容を知りたくない方はご注意ください。

<評>★★
■2006年は愛する人が死ぬ映画が多いが、「ただ、君を愛してる」にはその理由が隠されていると思う。不慮の死や突然の病死ではなく、遺伝性の病気で死んでしまう静流。言うなれば人間は皆「死」という遺伝病にかかっているのであり、静流の設定はそのデフォルメと解せる。そして、「恋をしたら死ぬ病」「成就を求めない恋愛」「生涯ただ一度のキス」「コンプレックスゆえに人と距離」などのキーワードが示すものは処女性、すなわち無垢である。死を意識して無垢のまま生を輝かせようとする人間への郷愁がここにはある。性欲・嫉妬・暴力など、他と関わる人間の暗部は廃され、パソコンがなければ70年代といってもいい無時代性もあり、これは現実離れしたおとぎ話である。しかし、テロ・自殺・犯罪と死が常に報じられ、いつか死ぬ者としての自己を意識せざるをえない現代において、このおとぎ話は、森や写真が見せる美しい地球の光景とともに私たちの羨望を呼ぶ。〔たんじ〕

<評>★★
■試写会見てきました。純愛映画という極端な色合いもなく、伏線がたくさんあって、結末近くにいろいろとつながってくるのですが、それがうまく生きていなかった気がします。もう少し、作中の時間的なメリハリ、演出のメリハリがあったら原作も生きただろうに…。宮崎あおいはかなり頑張った作品だったと思います。これについては○。〔cat〕

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