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TANNKA 短歌 TANNKA 短歌

(R15)
TANNKA 短歌
(C)2006「TANNKA」製作委員会

■□女が目覚める、
□■シネマエクスタシー

33歳のフリーライター薫里(かおり)は、カメラマンのMという9年越しの恋人と、仕事も恋も充実した日々を送ってきた。Mとの関係が世間でいうところの「不倫」であっても、無我夢中で生きてきた薫里の心を暖かく包むと同時に、肉体をも新たに目覚めさせてくれたのはMだったのだ。薫里はその時々の赤裸々な想いを短歌に綴っていく。
ある日、薫里に新しい恋が訪れる。相手は行きつけのバーの知り合い、ヴァイオリニストの卵・圭。M以外の男性に久しく興味を持ったことのなかった薫里だったが、年下の圭の初々しさに惹かれ、自然の成り行きで体を重ねる…。
●監 督阿木耀子
●出 演黒谷友香、黄川田将也、村上弘明、高島礼子、西郷輝彦、萬田久子  他
●データ2006年/日本映画/102分
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映画の批評コーナー。 は3段階評価です。
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<評>★★
■とことん女性の肉体の美点を描いた映画に、阿木耀子、俵万智という信頼できる感性の女性たちが作り手に名を連ねていると、男は正当に評価できるか自信を失い、ただひざまずくしかない。黒谷友香の美しい肢体、性の喜び、踊ること、食べること、歌うこと、そして身ごもること。女性の肉体をフルに活用することが女性の生きる喜びだと、それらの行為を短歌で紡ぎながらこの映画は静かに讃える。男が都合よく女に使われているのが少々気になるが、女性の女性による女性のための映画なのだと了承して、あえて問うまい。女性の社会進出だ、少子化だ、結婚だ、不倫だと、そのような社会的現象や規範を越えて、一個の女がフルに肉体を活用し、言葉・絵・踊り・女優等によって自分を表現しつつ生きる様は、男の私を圧倒する。「女が子供を産みたくなるような記事を書け」という編集長の言葉に答えた、ラストの自信に満ちた顔で会社を歩く薫里が書いた記事を読みたいと思う。〔たんじ〕

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