 (C)2006『手紙』製作委員会 |
■□兄貴、元気ですか?
□■これが最後の手紙です。
川崎のリサイクル工場への送迎バス。最後部座席に、野球帽を目深に被った青年の姿がある。
―――武島直貴、20歳。
誰とも打ち解けない、暗い目をしたこの青年には、人目を避ける理由があった。
兄・剛志が、直貴を大学にやるための学費欲しさに盗みに入った邸宅で、誤って人を殺してしまったのだ。
幾度にわたる引越しと転職。掴みかけたのに鼻先をすり抜けた、お笑い芸人になる夢。
はじめて愛した女性との痛切な別離。兄貴がいる限り、俺の人生はハズレ。そういうこと―――。
耐え切れずに自暴自棄になる直貴を、深い絶望の底から救ったのは、常に現実から目をそらさず、日の当たる場所へと自分を引きずり出してきた由美子の存在だった。
しかし、そのささやかな幸せが再び脅かされるようになった時、直貴は決意する。
―――塀の中から届き続ける、この忌まわしい「手紙」という鎖を断ち切ってしまおうと。
|
|
●監 督 | 生野滋朗
|
|
●出 演 | 山田孝之、玉山鉄二、沢尻エリカ、吹石一恵
他
|
|
●データ | 2006年/日本映画/121分
|
|