■沸騰しているのに熱くない!?
標高1758mの蔵王・刈田岳(かっただけ)。頂上でおやつを食べようと思ったら…スナック菓子の袋がパンパンにふくらんでいる。すると山岳会の方が「空気がうすいせいだよ」と、面白いものを見せてくれました。お湯をわかし、ぼこぼこと熱そうに沸騰(ふっとう)しているのに、温度を測ると96度!水が沸騰する温度は100度のはず。
もっと高い山ではちがう結果が出ると聞き、山登りのプロにお願いして標高3776mの富士山にのぼってもらいました。そこで同じようにお湯をわかすと…なんと88度なのにぼこぼこと沸騰しました。この沸騰する温度が低いのも、袋がふくらんだのも「大気圧」のしわざ。※大気圧とは、簡単にいうと空気の重さ、空気がものを押している力の。
大気圧は身体や物にすべての方向からかかっていて、もちろんスナック菓子の袋にとじこめられている空気も中から袋を押しています。それが山の上では、空気はうすい=大気圧は弱い、だから中から押す力のほうが強くなってふくらむというわけ。お湯の温度が低かったのも、空気がうすく、沸騰のぼこぼこを押さえる大気圧が弱いからお湯の温度が低いうちからぼこぼこと沸騰してしまうんですね。
|
|