ふしぎのトビラ

2010年7月10日(土)放送 〔第52回〕
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沸騰しているのに熱くない!?

 標高1758mの蔵王・刈田岳(かっただけ)。頂上でおやつを食べようと思ったら…スナック菓子の袋がパンパンにふくらんでいる。すると山岳会の方が「空気がうすいせいだよ」と、面白いものを見せてくれました。お湯をわかし、ぼこぼこと熱そうに沸騰(ふっとう)しているのに、温度を測ると96度!水が沸騰する温度は100度のはず。



 もっと高い山ではちがう結果が出ると聞き、山登りのプロにお願いして標高3776mの富士山にのぼってもらいました。そこで同じようにお湯をわかすと…なんと88度なのにぼこぼこと沸騰しました。この沸騰する温度が低いのも、袋がふくらんだのも「大気圧」のしわざ。※大気圧とは、簡単にいうと空気の重さ、空気がものを押している力の。



 大気圧は身体や物にすべての方向からかかっていて、もちろんスナック菓子の袋にとじこめられている空気も中から袋を押しています。それが山の上では、空気はうすい=大気圧は弱い、だから中から押す力のほうが強くなってふくらむというわけ。お湯の温度が低かったのも、空気がうすく、沸騰のぼこぼこを押さえる大気圧が弱いからお湯の温度が低いうちからぼこぼこと沸騰してしまうんですね。

沸騰しているのに熱くない!?

沸騰しているのに熱くない!?

沸騰しているのに熱くない!?
電気のない所を電車が走る ミステリートレイン

 電車は電気の力を使って動いています。しかし、新潟で北陸本線に乗ると…車内の電気が消えました。停電!?いいえ、電車は走っています。JRの方に聞くと、電気が消えた場所は「デッドセクション」と呼ばれているところ。そこから新潟の方は“直流(ちょくりゅう)”、富山の方は“交流(こうりゅう)”の電気が流れていて、その切り替えのために、この場所は電気が通っていないのだという。

 そもそも「デッドセクション」は、北陸本線の歴史に関係していました。日本に電車が走り始めたころは直流の電車。のちに交流を使う電車が走るようになります。もともと糸魚川という駅まで走っていた直流の北陸本線、そこに梶屋敷から富山方向を走る交流の路線がきて出会った場所、それがデッドセクション。直流と交流の切り替えをここで行い安全に電車を走らせているのです。



 ちなみに直流と交流は、電気の流れ方の違い。おもに直流は電池などにつないだときの電気、交流はコンセントなどわたしたちの生活に使われている電気です。交流を家庭用に使われている理由は、電圧を変化させやすいから。直流と交流の違いは目でも見ることができます。それはミッキー先生の実験ページをのぞいてみてね。


電気のない所を電車が走る ミステリートレイン

電気のない所を電車が走る ミステリートレイン

電気のない所を電車が走る ミステリートレイン


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