■銅なってるの?銅の大変身
新潟の伝統工芸「鎚起銅器(ついきどうき)」。
やかんにはつぎ目(切ったりくっつけたりしたあと)が見あたりません。
なんと一枚の銅の板を焼いてから水につけて冷まし、たたいてたたいてやかんの形に作り上げます。
それは、銅の性質が可能にした技でした。
“銅”は金属なのでもちろん硬いもの。しかし、金属の中では“やわらかくて加工しやすい”性質をもっています。
鉄や銅などの金属は熱を加えるとやわらかくなるのですが、鉄の場合は冷めるとまた硬くなってしまいます(熱いうちにたたいて形を作る)。
でも、“銅”の場合は、冷ましてもやわらかさが持続。
ていねいにコツコツとたたき、形にすることができるというわけ。
さらに “銅”はうれしいパワーも秘めていました。
目玉焼きを焼く実験で、ステンレス・鉄・銅の板を比べてみると…銅は熱伝導率(熱のつたわり方)が高い。
つまり全体的に均等に熱が伝わるため、料理がよりうまく仕上がるのです。
銅は、卵など火加減がむずかしい料理でもパワーを発揮してくれているんですね。
|
|