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●Disc.4
「サーファー達の海はどうなる!?」
仙台港が東北地方の主要な貿易港であると同時に、サーファーにとって全国有数の良い波が来るスポットだという事を、ご存知でしたか?
年間20万人というサーファーが仙台港の砂浜で波乗りを楽しんでいるのです。
ところが、サーファー達の聖地ともいえるこの海が、港の拡張工事に伴って形を変えようとしています。
仙台港の貨物取扱量は、15年前のコンテナヤード設置以来、毎年過去最高を更新!
企業の進出などで今後も取扱量は増える事が予想され、2012年までに港の一部が新たに埋め立てられる事が決まりました。
サーファーにとって、コレは心配すべき事態です。
幸い、埋め立てられるのは向洋埠頭の北端であり、波の立ち方に大きな影響を与える物ではないそうです。
問題は駐車場でした。無料開放されている駐車場は当初、コンテナヤードとなり、無くなってしまうはずでしたが、サーファーを中心に結成された「宮城の海を守る会」は全国から約25,000人分の署名を集め、県から代替駐車場を確保する事に成功しました。
熱心な活動が、行政を動かした形です。
しかし、悩みの種はまだ残っていました。
現在の駐車場には、シャワーもなければトイレもありません。
サーファー達は皆さんポリタンクに水を入れて持参し、手桶を使いシャワーにしています。
トイレは……言わずもがな、自然の習いというスタイルでしょうか。
コレだけの有名なサーフスポットでありながら、水道の設備もない。
特に県外からのお客さんに対して、地元のサーファーはとても恥ずかしい思いをしているのだとか。
「ぜひ海浜公園としての整備をお願いしたい!」
サーファーの声は届くのでしょうか?
県庁を直撃しました。県土木部建設交通局の山縣局長によれば、海浜公園の整備は向洋埠頭南西部の代替駐車場にかぶさる形で検討中……との事。
前向きな回答を頂けたのですが、来年をメドに改訂作業中の港湾計画に盛り込まれる必要があり、具体的な着工の日程などは白紙と言っても良いでしょう。
また、海浜公園の整備が実現した場合の管理・運営についても、地域住民や利用者の協力を頂きながらの形になる……というお話でした。
5月11日(日)。仙台港には朝早くから大勢のサーファーが集まり、月に1度の砂浜の清掃活動を行なっていました。手にしたゴミ袋は、あっという間にいっぱいになって行きます。
「港湾地区でサーフィンをさせて頂いているという謙虚な気持ち」
「港の発展と共存共栄して行くためにも、最低限の事はしなければ」
そう語るサーファーの皆さんはどなたも紳士的で、自分達の大好きな海を何とか残して行きたいという気概にあふれていました!
港湾地区である以上、いつ埋め立てられてもおかしくない仙台港。そこでは「聖地」を愛してやまないサーファー達が奮闘中です。
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