ど〜なの?DJ
皆さんからの素朴な疑問・質問にお答えするべく
DJ淳吾が調査・奮闘するコーナー。
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[平成20年11月19日(水)放送]
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「新米はいつまで新米なの?」

今回のDJは、M.N.フシギダネさんから頂いた
「新米は収穫してからいつまで新米と呼べるのでしょうか?」
というご質問。さっそく太白区長町にある「米工房いわい」にお邪魔しました。

ご主人の岩井宏太さんによると、お米屋さんの感覚で「新米」と呼べるのは収穫してから年内までかなぁ……との事。誰に教わったでもなく、新米といえばそんな感じなんだそうです。
新しいお米はやはり、香りも良いし、触った感じが湿度を含んでいるようで、全然違うのだとか。
実は、農産物の規格と品質表示について定めたJAS法にも「新米=収穫した年の12月31日までに精米されたお米」という決まりがありました。
お米屋さんの感覚は、なるほど正しかったんですね!

では、その新米の美味しさの秘密は、具体的にどんな所にあるのでしょうか?
取材班は東北道を北上、県古川農業試験場へ向かいました。稲を遺伝子レベルで研究する施設です。
「ささにしき」や「ひとめぼれ」も、ココで開発されたんですよ。

総括研究員の永野邦明さんは、現在開発中の新しいコメの品種を味見している最中でした。
新米の美味しさについて、教えて下さい!

永野さんいわく、新米は表面に脂肪分(いわゆる米ぬか)を残しており、この部分が古くなると酸化して「脂肪酸」に変わり、古米臭を発するそうです。
また水分も徐々に逃げて行くため、炊いてもふっくらしなくなると言います。
たっぷりの脂肪分と水分が、新米の美味しさの秘密だったんですね。

話を聞けば聞くほど、新米と古米の違いは明らかな気がします。そこで同じ品種の両者を、食べ比べさせて頂く事にしました。
「ひとめぼれ」の新米と古米を、どちらがどちらか分からないように皿に盛ってもらい、私と永野さんでズバリ当てようという簡単な対決です。

さすが米のスペシャリスト!永野さんは口に入れる前に、両者の香りや見た目をじっくり比べて行きます。
私はというと……片方を食べては「おいしい〜」、もう片方を食べては「おいしい〜」。違いはほとんど分かりません(汗)。

すぐに分かった様子の永野さん。私は何となくですが、とりあえず右側のお米を新米と答えました。
結果、両者正解。
永野さんが見分けたポイントは、古米は新米に比べ光沢があまりなく、餅のような古米臭が出ている事でした。
しかしとても微妙な差で、正直単独で出されたら判別は困難に思いました。

それだけ現在の米の保存方法は、進歩しているようです。低温かつ一定の温度で保存する事により、古くなってもある程度新鮮なままで置いておく事ができるようになったのです。
家庭で米を保存する良い方法は、ペットボトルに入れて空気に触れさせず(=酸化を防ぐため)、冷蔵庫に入れると良いとの事でした。
なお、トウガラシを入れたりする方法は、防虫の意味はあっても刺激臭が移ってしまうため、あまりオススメできないそうです。

今回のリサーチ、最後はこの時期新しい……ボージョレ・ヌーボーにまで話を広げてしまいました!
仏ボージョレ地区でその年にとれたブドウを使って作る「新酒」。果たしていつまで「新しい」と呼べるのでしょうか?

やまや通町店を訪ねました。村田店長は「ボージョレ・ヌーボーは作り方が違うワインに与えられた名前なので、いつまで経ってもヌーボーです」と言うではないですか!
聞けば、タンクで急速発酵させて作るため、全く別くくりのワインなのだとか。
それでも品質は変化して行くんですよね?
「ワインだから熟成するのかな?」というイメージもありますが、飲み頃を教えて下さい!

店長
「ボージョレ・ヌーボーは空輸されて来ます。すぐ開けるのではなく、成分が落ち着いてからの1〜2ヶ月後に開けるのも楽しみなワイン。ただし2〜3年の熟成は難しいですね」

ボージョレ・ヌーボーはイベントとして、解禁後すぐに開けるのも楽しいのですが、クリスマスや忘新年会にみんなで開けてもなおOK!との事でした。

様々な所で漠然と使われる「新しい」という意味の言葉について、今回は色々と勉強させて頂きました。



[平成20年11月5日(水)放送]
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「仙台のビルは80mまで!?」

今回の質問は、仙台市内にお住まいの匿名の女性から。
「仙台の高層ビルが、今後80mまでに制限されると聞きました。詳しく教えて下さい」
との事で、さっそく市役所に聞きました。

たしかに来年夏頃の施行をめざして、新しい景観計画案を策定中だそうです。
都市整備局の高橋清一係長によれば、国の景観法が施行された事をうけての動き……との事です。

こうした景観に関する取り組みは、古都・京都などもで積極的に行なわれています。
京都市の場合、ビルの高さは最高31mまでだそうです。地区ごとに、さらに細かい高さ制限も設けられているようです。

さて。「80m」という制限の根拠は、仙台城址からの眺望にありました。
伊達政宗も城から眺めたであろう、杜の都の街並み。実は、中心部の標高は平均40m。コレに対して、仙台城址は高さ120mの位置にあります。
つまり80m以上の建物が建つと、遠く太平洋を望む景観が遮られる計算となるのです。

実際のところ仙台市内では、最高で高さ174mというビルも建っています。150m級のオフィスビルも、今では数多く存在します。
という事は、80m制限がかかれば、現在ある高層ビルの半分程度の高さまでしか建てられない事になり、大きな影響も出てくるような気がしますが……。

実は今回の高さ規制、仙台市内で初めての事ではありません。過去にも条例で青葉山地区では10m、広瀬川流域で20mなどと細かく定めて来ました。今回の「80m」というのは、都心のビジネスゾーンで初めての高さ制限という事です。
しかも今回の高さ制限は中心部の80mだけでなく、外側へ行くほど建物の高さが低く規制される案です。
逆に言うと、都心に行くほど高い建物が建てられるわけで、都市機能の集約という目的があるのですね。

なおビルの足元に一定の割合で緑地を整備すれば高さ制限は緩和されるそうで、「80m」は、緑地整備を経て「制限なし」となるそうです。

経済界・産業界への影響を取材しようとしましたが、ビル建設業者からは明確な回答が得られませんでした。
仙台商工会議所からは「緩和条件などの配慮もあって経済活動への影響はあまりないようだ」とのコメントを頂きました。

というよりも、国の景観法施行をうけた動きとはいえ、コレだけ多くの高層ビルがすでに建った……あるいは建設中という現実がある以上、今回の市の高さ規制は少し遅かったのでは、という印象を持ちます。
何より不景気で不動産の売買が鈍り、オフィスビルの空き率も増えつつある現状で、建物の高さ制限にどれほどのインパクトがあるのかは少々疑問です。

いずれにせよ、杜の都仙台の魅力がますます高まるような施策を望んでなりません。



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