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●Disc.14
「新米はいつまで新米なの?」
今回のDJは、M.N.フシギダネさんから頂いた
「新米は収穫してからいつまで新米と呼べるのでしょうか?」
というご質問。さっそく太白区長町にある「米工房いわい」にお邪魔しました。
ご主人の岩井宏太さんによると、お米屋さんの感覚で「新米」と呼べるのは収穫してから年内までかなぁ……との事。誰に教わったでもなく、新米といえばそんな感じなんだそうです。
新しいお米はやはり、香りも良いし、触った感じが湿度を含んでいるようで、全然違うのだとか。
実は、農産物の規格と品質表示について定めたJAS法にも「新米=収穫した年の12月31日までに精米されたお米」という決まりがありました。
お米屋さんの感覚は、なるほど正しかったんですね!
では、その新米の美味しさの秘密は、具体的にどんな所にあるのでしょうか?
取材班は東北道を北上、県古川農業試験場へ向かいました。稲を遺伝子レベルで研究する施設です。
「ささにしき」や「ひとめぼれ」も、ココで開発されたんですよ。
総括研究員の永野邦明さんは、現在開発中の新しいコメの品種を味見している最中でした。
新米の美味しさについて、教えて下さい!
永野さんいわく、新米は表面に脂肪分(いわゆる米ぬか)を残しており、この部分が古くなると酸化して「脂肪酸」に変わり、古米臭を発するそうです。
また水分も徐々に逃げて行くため、炊いてもふっくらしなくなると言います。
たっぷりの脂肪分と水分が、新米の美味しさの秘密だったんですね。
話を聞けば聞くほど、新米と古米の違いは明らかな気がします。そこで同じ品種の両者を、食べ比べさせて頂く事にしました。
「ひとめぼれ」の新米と古米を、どちらがどちらか分からないように皿に盛ってもらい、私と永野さんでズバリ当てようという簡単な対決です。
さすが米のスペシャリスト!永野さんは口に入れる前に、両者の香りや見た目をじっくり比べて行きます。
私はというと……片方を食べては「おいしい〜」、もう片方を食べては「おいしい〜」。違いはほとんど分かりません(汗)。
すぐに分かった様子の永野さん。私は何となくですが、とりあえず右側のお米を新米と答えました。
結果、両者正解。
永野さんが見分けたポイントは、古米は新米に比べ光沢があまりなく、餅のような古米臭が出ている事でした。
しかしとても微妙な差で、正直単独で出されたら判別は困難に思いました。
それだけ現在の米の保存方法は、進歩しているようです。低温かつ一定の温度で保存する事により、古くなってもある程度新鮮なままで置いておく事ができるようになったのです。
家庭で米を保存する良い方法は、ペットボトルに入れて空気に触れさせず(=酸化を防ぐため)、冷蔵庫に入れると良いとの事でした。
なお、トウガラシを入れたりする方法は、防虫の意味はあっても刺激臭が移ってしまうため、あまりオススメできないそうです。
今回のリサーチ、最後はこの時期新しい……ボージョレ・ヌーボーにまで話を広げてしまいました!
仏ボージョレ地区でその年にとれたブドウを使って作る「新酒」。果たしていつまで「新しい」と呼べるのでしょうか?
やまや通町店を訪ねました。村田店長は「ボージョレ・ヌーボーは作り方が違うワインに与えられた名前なので、いつまで経ってもヌーボーです」と言うではないですか!
聞けば、タンクで急速発酵させて作るため、全く別くくりのワインなのだとか。
それでも品質は変化して行くんですよね?
「ワインだから熟成するのかな?」というイメージもありますが、飲み頃を教えて下さい!
店長
「ボージョレ・ヌーボーは空輸されて来ます。すぐ開けるのではなく、成分が落ち着いてからの1〜2ヶ月後に開けるのも楽しみなワイン。ただし2〜3年の熟成は難しいですね」
ボージョレ・ヌーボーはイベントとして、解禁後すぐに開けるのも楽しいのですが、クリスマスや忘新年会にみんなで開けてもなおOK!との事でした。
様々な所で漠然と使われる「新しい」という意味の言葉について、今回は色々と勉強させて頂きました。
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