|
●Disc.19
「人工降雪機の謎を追え」
今回はM.N.夫婦(めおと)ボーダーさんからの素朴な質問。
スキー場にあるという人工降雪機。名前は聞いても、姿、形や動いている様子は想像がつきません。
どんな物なのか調べて欲しい……
というご依頼でした。
スプリングバレー泉高原スキー場へ。
こちらでスキーヤー、ボーダーに人工降雪機について尋ねて回ると「ゲレンデの上のほうにあった気がする」という重要証言が!
さっそくリフトでのぼると……やりました、発見です。
人工降雪機の整備作業をしている、職員の小野良仁さんと出会う事が出来ました。
それにしても、この消火栓と消火ポンプにしか見えない機械が人工降雪機だなんて、皆さん信じられます?
見せて頂いたのはノズルの先から雪を噴出する「ガンタイプ」だそうです。
スプリングバレーでは他にも、ホースの届く範囲で移動が可能な「小型ガンタイプ」、扇風機で水と空気を飛ばす「ファンタイプ」、「自走式ファンタイプ」の4種類、計23台の人工降雪機を使っているのでした。
ここで素朴な疑問。
コレだけ人工降雪機があれば、全く雪が降らない暖かい冬でも問題ないのではないでしょうか?
地球温暖化も雪不足も関係なく、ガンガン雪を作ってしまえればラクですよね。
ところが、そうは問屋が卸さないのです。
小野さん
「気温が下がってくれないと人工降雪機は使い物になりません。寒くなる夜でないと動かせないんですよ」
この言葉に夜まで待ちましたよ、DJ取材班!
ゲレンデはあいにくの雨となりましたが、さぁ人工降雪機を動かして見せて下さい!!
ところが……轟音とともにノズルから吹き出る水と空気……って、あれ?ジェット霧吹きといった感じで、いつまで経っても雪が出来ないぢゃないですか!
そうなんです。実は人工降雪機、気温が下がるのはもちろん、湿度も低くならないと、水が噴き出すだけで雪を作れないのですね。
湿度が30%と低ければ、気温がプラスの1〜2℃あっても雪は出来るのですが、取材日のように雨が降っているようでは不可能……残念!
ためしにファンタイプも動かしてもらいましたが、結果は同じでした。
便利な機械だとはいえ、雪作りにはそれ相応の気象条件が必要なのですね。
気温や湿度の条件が整えば、雪作りの作業は夜通し続きます。
水と空気を混ぜて高圧で発射する過酷な重労働は、専門のスタッフが総出で行なう事になります。
使用する水は700tから、多い時で1日1,000tにもなるのだとか。ゲレンデ中腹に貯水池を設置し、近くの沢から水を引いていました。
人工降雪機関係の設備投資は、億単位になるのだそうです!
そこまでの手間暇をかけてゲレンデのコンディション作りを行なう理由を、スプリングバレーの小野さんは
「来て下さったお客様に楽しんで頂くため」
と言い切りました。
皆さんもスキー場に出かけたら、人工降雪機を探してみて下さい。
そしてそれを操る職員の皆さんの雄姿を想像してみて下さいね!
|