ど〜なの?DJ
皆さんからの素朴な疑問・質問にお答えするべく
DJ淳吾が調査・奮闘するコーナー。
なんでも聞いてください!お待ちしています。


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[平成21年4月29日(水)放送]
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「ミツバチ不足 宮城県内では?」

今回は太白区にお住まいの匿名希望の男性からのご質問。
「ミツバチが減って全国で果物や野菜の農家が困っていると聞きました。 宮城県では大丈夫なんですか?」
と頂いています。

たしかに全国的な影響は報道されていますが、宮城の実態となるとよく分かりません。さっそく調べました。

丸森町のイチゴ農家、半沢祥市さん。
2つのビニルハウスでイチゴを作っていますが、今年はミツバチ不足でうまく育たない実が多いとか。

こうしたイチゴ農家はじめ、スイカやメロン、ナスなど、多くの野菜や果物の農家が、受粉のためミツバチを使い、花粉を運ばせているのですね。
ハウスの中では、ミツバチが飛んでいる様子が一切見られません。
巣箱の中で例年より数が減っていて元気がなく、外に出て来ないそうです。

お隣のイチゴ農家でも同じような状況でした。ミツバチ不足は、やはり宮城県内でも起こっていたのです。

イチゴのハウス栽培では普通11月から翌年4月まで、養蜂家からミツバチを借りて受粉作業をします。
しかし「外に出て戻らない」、「エサが不足しがち」といった理由で、個体数は必ず減って行くもの。
いわばミツバチは消耗品なのです。
そこで通常1シーズンに1回程度、新しいハチを補充するのですが、今年はそのハチが少なく、補充がつかない業者が多いというのです。

ミツバチ生産の現場では何が起きているのか?
同じ丸森町内の養蜂家を訪ねました。
丸森町を中心に15ヵ所でおよそ800万匹のミツバチを飼育する、この道12年の養蜂家・石塚武夫さんです。
石塚さんによると、県内でのミツバチ不足にもいくつかの原因が考えられるようです。

(1)「カメムシの防除剤」
カメムシ防除には毎年の発生状況などから、地域ごとに違う薬が使われています。ミツバチの行動半径はおよそ2キロ。この範囲の田んぼで強い薬が散布されれば、カメムシだけでなく、ミツバチにも影響を与えてしまうのですね。
宮城県内では成分の弱い「スタークル」という薬が主流なうえ、まく時は農協から養蜂家に事前に連絡があるため、被害は他の地域に比べてまだ少ないそうですが、もちろん影響はゼロではないと思われます。
(2)薬の効かない寄生ダニ
ミツバチに寄生するダニの駆除には、主にアピスタンという殺虫剤が使われて来ました。しかしダニは世代交代が早く、すぐに耐性を獲得してしまうため、1992年発売のアピスタンはここ数年、効かない個体が増えていたのです。
養蜂家団体の要望もあって今月、ようやく新薬 「アピバール」 が認可され、今後 寄生ダニの駆除に効果が期待されています。
(3)「記録的暖冬」
冬場の気温が高いと換気のためハウスを開ける事が多くなり、ミツバチが出て行ったまま戻って来られない事が多くなるそうです。
また、暖冬でハチの新陳代謝が異常に活発になり、例年以上に体力を消耗させてしまっているのだそうです。

ミツバチをとりまく環境が厳しい状況にあっても、石塚さんは農家への貸出価格の値上げを少なく抑える経営努力を続けています。
ミツバチの価格高騰は「受粉の時期が終われば落ち着くだろう」という話ですが、すべて考えられるような原因には人間が絡んでいる事が怖いように思います。
皆さんはどうお考えになりますか?



[平成21年4月15日(水)放送]
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「木だけに気になる標本木」

今回はM.N.さくら餅さんからのご質問です。

「サクラの季節!嬉しい限りです。ところで、その基準となる『標本木』いう言葉をよく聞きますが、どんな木が選ばれるんですか?何か特別ないわれがあったりするんですか?」

サクラの開花/満開などの基準として各地で観測されているのが、ソメイヨシノの標本木です。
仙台の場合、標本木は宮城野区五輪の仙台管区気象台の敷地内にあり、この木をもとに開花などの発表が行なわれています。

さっそく気象台を訪ね、観測担当の松岡稔さんに教えて頂く事にしました。

標本木は気象台の敷地の北西角にありましたが、はて……1本ではなく2本あるようですね。一体どういう事でしょうか?

実は標本木には、毎年の観測に用いる木のほかに「副標本木」と呼ばれる、いわば「補欠」がいたのです!
標本木が病気や事故などで開花しなかった場合、副標本木を使って観測するのだそうですが、仙台では過去に例がないそうです。

さて、それでは仙台の標本木。一体どこから来たのでしょうか?
答えはすぐそばにありました。
気象台の北隣……以前の気象台から運ばれて来たのです。

仙台管区気象台は1982年まで、現在 第4合同庁舎が建つ場所にあり、敷地内の木が標本木として観測に使われていました。
しかし庁舎の建設とともに伐採されてしまいます。
難を逃れた構内のソメイヨシノのうちの1本が、今の場所に移されて新しい標本木となったのです。
元々の場所に1952年=S.27年にすでに植えられていたもので、60年が寿命とされるソメイヨシノとしては立派な古木です。

本来、標本木は「気象測器」と呼ばれる観測機器の一部とみなされ、みだりに触れるなど人為的な影響を与える事は、気象業務法で禁止されています。
しかし、毎年きちんと花を咲かせてくれなければ困る標本木に関しては、専門の業者がきちんと剪定などのケアをしているそうです。

東北地方をサクラ前線が北上中です。
皆さんもサクラの花を見るときに、ほんの少しだけ標本木について思いをはせてみて下さい。


※ ちなみに合同庁舎建設の際、伐採をまぬがれたソメイヨシノは何本もあったのに、なぜ今の標本木が選ばれたのか……あまり良く分かっていないようです。
状態に問題のない個体を選んだそうですが、はっきりした事は資料が残っていないとの事です。



[平成21年4月1日(水)放送]
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「角田で発見!これ何の看板?」

今回は、いっぷう変わった看板の情報を得て出動しました!

M.N.角田の調子いい人
「角田市内におかしな看板があるんです。誰が何の目的で立てたのか、調べて下さい」
といったご質問です。

さっそく現場に出かけてみると、ありました!
男性が作業しているようにも見える、リアルな立て看板。何じゃこりゃ!?

場所は国道349号線沿いの角田市江尻。
よく見ればこの看板、上からコアラや飛行機が飛び出していたりします。
キャッチフレーズも何だか変わっているし、見れば見るほど様々な疑問がわいて来ます!

看板のいちばん下の部分に「レタリング岡崎」と書いてありますね。
案内に沿って進むと、怪しげな研究所(失礼!)のような場所に到着。
ココがレタリング岡崎の工房のようです。

さっそく居合わせた男性に問題の看板について尋ねると「私が作りました」との事。社長の岡崎冨男さんです。

どうしてこういう物を作ったのでしょうか?
岡崎さんいわく「信号待ちを癒しの時間にして欲しい」という事らしい。
たしかに意味はよく分からないけど和みますね、この看板。
コアラは岡崎さんにとって癒しの象徴。飛行機は角田にあるグライダー用飛行場からの連想だそうです。
最初にこの場所に看板を立てたのは約20年前。
老朽化で5年前に立て換えた二代目が、現在の看板だそうです。

他にも季節ごとに同じ場所に立て換えるため、いくつかのバリエーションが用意してありました。
どれもが目を止めずにはおれない、不思議なデザインの作品達です。
角田の言葉でいうと「わっさ」。つまり、いたずら・おふざけといった意味の看板であると、岡崎さんは説明して下さいました。
同時にイベントのPRなども出来るので、地域に貢献しているという自負をお持ちのようです。

レタリング岡崎は、角田市内を中心に看板製作を請け負う会社。
角田市出身の岡崎さんは、印刷会社に勤めながら好きだった美術を勉強し、36歳で脱サラ。独立して文字のデザイン=レタリングを生業としました。

今ではコンピュータによるデザインが増えてしまったものの、全体のバランスをどう演出するかといった感覚はフリーハンドで磨いておく必要があるそうで、岡崎さんはためしに東北放送の「東北」という字をササッと大きく書いて下さいました。
その均整のとれた見事な造形に、あらためてビックリです。

最近の作品も見せて頂きました。
ベガルタ仙台新入団・島川俊郎選手の横断幕を、熱心なサポーターから注文されていました。
いくつか提案した中で、採用されたのは真ん中の物。
先日納品を済ませたばかりという事で、スタジアムで披露される日もきっともうすぐですね!

ここで、創業以来27年間に手がけた作品から、お気に入りの物を岡崎さんにランキング形式で選んで頂きました。

<第3位>「何だこりゃ看板」
何だこりゃ〜と誰もが驚く、丸森町にあるコチラの看板。目をとめてもらうための工夫が随所に光る一枚です。
ココにもほら、作業中の男性が!

<第2位>「ゴミは捨てるより…」
ゴミは捨てる人から拾う人になろう!
「ゴミを捨てるな」という命令形では人の心を動かせない……という岡崎さんの信念が書かせたキャッチコピーです。

<第1位>「作業中です」
1位はやっぱり、今回の問題の看板ですね。最初はこんなにシンプルだったんです。
それにしても「岡崎さんの遊び心、ココに極まれり!」という作品ではないでしょうか。

あふれるアイデアを形に……。
街の風景を豊かにする楽しい看板を、岡崎さんは今日も生み出しています。



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