ど〜なの?DJ
皆さんからの素朴な疑問・質問にお答えするべく
DJ淳吾が調査・奮闘するコーナー。
なんでも聞いてください!お待ちしています。


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[平成21年6月24日(水)放送]
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「佐々木君が『ささきくん』をリサーチ!
 その素顔に迫る」


今回の調査依頼はM.N.大魔神さんから。
「とっても可愛い『ささきくん』について、ぜひ調べて下さい」 という事なんですね。
僕は今回初めて『ささきくん』を知りました!
一体どういう物なのか、たいへん興味を持ってリサーチに出かけたのですが……。

何と「ささきくん」、街行く人は誰1人知りません。
もっとも僕=佐々木君の事も尋ねる人だ〜れも知らず、ずいぶんと寂しい思いをしたのでした。トホホ……。

ちょっと強引ですが「ささ」つながりって事で、笹かまぼこの鐘崎一番町店で聞くと、「ウチの食品館で売っています。ゆるキャラです」とのお答えを頂きました。
皆さん、もう分かりましたよね?
「ささきくん=笹木君」は宮城の名物 笹かまぼこをモチーフにしたキャラクターだったのです。

情報をもとに、若林区鶴代町にある鐘崎 食品館へ。
いよいよ 「笹木君」 とご対面です!
建物の中に入ると「笹木君」は売り場の一角にスペースを与えられていました。
たしかにゆるキャラです。白い肌……円らな瞳……色男ですねぇ。さすが「笹木君」(おいおい)。

相原由美店長によると、ボチボチ売れているそうです。
特に修学旅行シーズンの5月は月に100個ほど売れたという事で、たしかに取材当日も、見学コースとして立ち寄る小学生が手に取っていました。
街では誰も知る人に出会えなかった「笹木君」ですが、お土産屋さんではそれなりに注目を浴びていたのですね。

ついでに相原店長、ネーミングについて聞くと、少し考えたあと「普通ですね」とのお答え(笑)。
分かります!たしかに、ひねりがないといえば、ない。
一体どこの誰が作ったキャラなのか、相原店長もご存知ないようで……。
商品のタグにあった「東洋工芸」という会社が唯一の手がかりだったわけです。

東洋工芸(株)は太白区にある、お土産雑貨の製造・販売などを手がける会社。
ココに「笹木君」の生みの親がいると聞いて、訪ねました。
意外や意外、「笹木君」のデザインを自ら手がけたという社長の名前は、笹木さんではありませんでした(当たり前か)。

山本将人社長。「デザインは素人」と語る彼こそが 「笹木君」 を世に送り出した張本人だったのです。
お土産が全国で同じように物になってしまっている現状に、宮城でなければ実物を見る事も触れる事も出来ない「ローカルなキャラ」を作りたかったとか。

実は、2年前の企画段階では「笹木君」、社内的に不評だったようです。
それでも「売って来い」と強引に企画を通した山本社長。
名前も何もかも、本人いわく「すべて思いつき」とのお話ですが、彼にとっては情熱を傾けた愛すべきニューキャラでしたから。

正直、知名度はまだまだですが、「笹木君」には、全国のお土産雑貨がもっともっと楽しくなるヒントがいっぱい詰まっているように感じました。
何より僕にとって「笹木君」は、どうも他人事のように思えないのです。
応援しますよ、社長!

あ……そうそう。
「笹木君」には5月から新しい仲間が加わりました。
それが彼女と噂される「かまたさん」に、愛犬の「ボコちゃん」。
「笹木君」に「かまたさん」に「ボコちゃん」で「笹」「かま」「ボコ」!う〜ん、社長の遊び心に脱帽です。


●お問い合わせ
 『東洋工芸』 022-241-4111
 『鐘崎 食品館』 022-231-5147
 *仙台駅の土産物店でも取り扱っています。



[平成21年6月10日(水)放送]
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「伝統の藍染を守る」

岩手・宮城内陸地震からもうすぐ1年。
今回は、被災地 栗駒で地震の影響をうけながらも伝統の藍染の技術を守り続ける女性の「今」をご紹介しましょう。

栗原市栗駒 文字(もんじ)地区。
二迫(にはさま)川の水音をすぐそばに聞く場所に、伝統技法として知られる藍染の工房があると聞き、訪ねました。

千葉まつ江さん79歳。
栗駒に生まれ、千葉家の女性として祖母の代から藍染の技術を受け継ぐ三代目です。

千葉さんが受け継ぐ「正藍冷染」 は、中国から伝わり平安時代までに確立したとされる日本最古の藍染の技法。藍の葉を染料にした鮮やかな色合いが特徴ですが、この技を守り続けるのは、今では千葉家ただ一軒のみなのです。

毎年6月は、染めの作業が始まる大切な時期。
しかし去年は岩手・宮城内陸地震が発生し、震度6強の揺れが栗原市を襲いました。
建物に被害はなかったものの、千葉さんは工房をそのままに、後ろ髪を引かれる思いで自主避難せざるを得ませんでした。
一時帰宅の合間をぬって、作業に戻ったりもしましたが、それでも去年は、予定していた布の半分ほどしか染める事が出来なかったといいます。

工房で染色作業を見せて頂きました。
藍の葉を発酵させて作った染料に布を浸すと、最初に引き上げた時の色は黄緑に近いもの。
それが空気に触れて酸化する事で、わずか数分で鮮やかな、文字どおり「藍色」に変色するのです。
模様の部分だけ染料が入らずにきちんと出来あがるのは、糊で絵を描いているため。糊が染料をはじいて色が着かないんですね。

染色を終えた布は少し乾かした後、目の前を流れる二迫川の水でキレイに洗います。
岩手・宮城内陸地震では上流に大量の土砂が流れ込み、この川の清流が失われました。
今年はもう大丈夫……かと思いきや、やはりまだ清流は元に戻りきっていないそうです。

千葉さんは染め上げた布を丁寧に水洗いして行きますが、本来であれば底の石がくっきり見え、小魚も泳ぐ美しい流れだと教えてくれました。

今年の染めは、何とか順調にスタートしました。
千葉さんのホッとした表情には、少しだけ安堵感が見られました。
僕はというと、震災を経てもなお 「正藍冷染」 の技を守ろうと頑張る千葉さんに、頭が下がる思いでした。



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