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●Disc.38
「どーなる!?もみじマーク」
今回は、高齢者ドライバーが車に付ける「もみじマーク」についての話題です。
「デザインがさえない」とか「つけてて意味はあるの?」という批判もある中で、今回新しい動きが出て来たのですね!
高齢者運転標識=通称「もみじマーク」といえば、「枯れ葉マーク」「落ち葉みたい」などとデザインの評判はいまいちで、若葉マークと比べてもどことなく寂しい感じです。
もみじマークは、高齢ドライバーに慎重な運転を求める一方、周りの車にも注意を促すマークとして1997年に登場。当初75歳以上の人が表示を心がける努力規定として始まった制度は、去年6月に反則金4,000円・違反点数1点で表示が義務化されたのですが……。
まずは、もみじマークを付けてるドライバーに率直な感想を聞こうと思うのですが、仙台市内ではなかなか停まっているところに出会えなかったので、観光客を目当てに高速に乗っちゃいました。東北道上りの菅生P.A.です。
何人かの方に話を聞くと、デザインについては「何を伝えたいか分かりにくい」、「形が好きではない」「見やすくて良い」などと賛否両論。
自分の車には付けているという、助手席の81歳の男性は「付けてて安心」との事でした。
しかし肝心のマークを付けた車がP.A.に現れない!やはり高速道路には高齢者ドライバーが少ないのか?
仕方がないので高速を下り、村田町内で「もみじ狩り」を続行します。
一般道に出てすぐ、もみじマークの大群(←大げさですね)を発見!やりぃ!!
実はココ、村田町にある競輪の場外車券場。
駐車場には、もみじマークを付けた車が大漁大漁……でしたが、肝心のドライバーが一向に出て来ない。とほほ……。
町内をさらに走り回り、ようやくマークを付けた高齢者ドライバーを発見したのでした。
しかし話を聞いても、もみじマークの効果やデザインについて実感するところがあまり無いご様子。
もみじマークって何だかビミョー……。一体どうなってるの!?
宮城県警で話を聞きました。
交通部・交通安全企画官の片桐孝一さんに、もみじマークのルールについておさらいからして頂くはずが……何と去年義務化されたばかりのマークは、今年4月の道交法改正で、すぐまた義務規定が削除されていたのです。
知らなかった……。
県内の高齢ドライバーの事故死者数は毎年増減を繰り返しているものの、免許人口の増加に伴い、高齢ドライバーによる事故の件数自体は、10年で1.6倍に増えました。
さらにドライバーの年代別事故率を見ても、75歳以上は全ての年代の平均と比べ3.5倍に達していて、高齢運転者の事故防止への取り組みは予断を許さない状況です。
なのになぜ、もみじマークの表示義務は努力目標に格下げされたのでしょうか?
片桐さんによれば、昨年9月の時点で警察庁が調査した「表示率」は75%。
取締りをしなくても広報活動をとおして普及・定着できるという判断なのだそうです。
今後についても「当分の間、義務規定は適用しない」というお答えしか頂けませんでした。
制度的に揺れ動いているように見える、もみじマーク。
挙句の果てに警察庁はデザインも変更を考えるとして、先月末から新しいアイデアの公募を始めています。
興味のある方は、警察庁のHPに詳細が載っていますから、ぜひ応募してみて下さい。
僕自身こうしたマークは必要だと思いますが、取材で話を聞いたお年寄りが「年寄りだとバカにされてしまうから付けない」と語った言葉が印象に残っています。
それなら皆が率先して付けたくなるようなデザインを作り、高齢者以外のドライバーにもきちんと目的や意味が伝わるような広報・啓発をする!そういった事が求められているのではないでしょうか?
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