ど〜なの?DJ
皆さんからの素朴な疑問・質問にお答えするべく
DJ淳吾が調査・奮闘するコーナー。
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[平成22年3月17日(水)放送]
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「津波から半月 〜被害の実態と支援の輪〜」

2月28日。前日、チリで発生した巨大地震による津波が日本を襲いました。
仙台港や気仙沼市、南三陸町などで1m以上の津波を観測。沿岸の漁業施設は大きな被害を受けました。
コレまでに明らかになっている県内の被害総額は 42億円あまり。そのほとんどが、カキやホタテ、ノリやワカメなどの養殖関係です。

あれから2週間、現地は今どんな様子なのか?
私達は、カキの養殖施設が深刻なダメージを受けたという牡鹿半島へ向かいました。
復旧作業の合間、船を出して下さったのは、カキ生産者の平塚絹雄さんです。

牡鹿半島の東南側、石巻市狐崎浜から船で5分ほどの所に、平塚さんの養殖施設がありました。
見たところ、整然と樽が浮かんでいるだけですが……。

県内のカキの生産は、9割が「はえ縄式垂下養殖」という方法です。
海に浮かべた樽をつなぎ合わせ、両端をアンカーで海底に固定。10mほどのロープを垂らしてカキを育てるものです。
しかし平塚さんによれば、海中では津波の影響でロープ同士が絡まったり切れたりして、相当数のカキが海底に落ちてしまったとか。
こうなると最早、そのカキをすくって食べる事は出来ないそうです。

台風や低気圧など通常の高波では、海面だけが動きます。
しかし津波は、海底から海面まで全層の水で強い満ち引きが起こるため、こうした甚大な被害が出たわけですね。
中には、アンカーが外れて施設ごと流されたりしたケースもありました。

海底の地形や潮の流れなどが影響していると見られますが、場所ごとに被害の程度に大きな差があるのも、今回の津波の特徴だといいます。
取材中も「ココは大変な状況だが、すぐ裏の浜はほとんど被害を受けなかった」といった類の話をいくつか聞きました。

平塚さんの養殖施設では、今年秋に種付けする分のカキが半分以上ダメになってしまったそうです。影響は1年、2年としばらく続くだろう……というお話でした。
死んでしまった貝そのものの被害はもちろん「滅失した資材を調達するのに、またお金がかかってしまう」とも話して下さいました。

画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 今回の津波では、多くの種類の海産物が被害を受けました。
私達は塩釜や七ヶ浜のノリ養殖も壊滅的な打撃を受けたと聞き、現場を取材しました。
七ヶ浜町の吉田浜から船を出して下さったのは、ノリ生産者の相澤良弘さん。
安全を確認し、プロの判断で出航して頂きましたが、この日は高波で復旧作業そのものは中止。
一刻も早く片付けを終えたいところへ、もどかしさが募ります。

漁場では、ノリの網が波に揺すられて海面に漂っています。
ノリ養殖は毎年、冬の訪れとともにスタートします。
海面に網を浮かべて行なわれるのですが、ココでも海水が全ての層で動く津波特有の現象により、施設が丸ごと押し流されるなどの被害が出たのです。

津波が来る前と後で付近の映像を比べると、被害は一目瞭然です。
津波前の2月23日に海保が撮影した航空写真からは、ノリの養殖網が整然と並んでいる様子が確認できます。
それが津波の後……。収穫を間近に控えたノリの網が、千切れたり絡まったりしているのがよく分かります。

相澤さんによれば、七ヶ浜で80%、浦戸諸島では実に100%。つまり浦戸諸島のノリ養殖は津波被害で壊滅してしまったという事でした。

津波から2週間。生産者達は、本格的な事後処理に向けて動き始めています。
私達の取材当日、県漁協では各支部の代表と県の担当者による緊急対策会議が招集され、コレまでに確認されている被害の報告と今後の対応が話し合われました。

販売者の側にも、支援の動きが徐々に広がっています。
みやぎ生協では3月6日から、県内の海産物の特売や募金活動などを全店で展開しています。
こうしたキャンペーンは3月いっぱい行なわれる予定ですので、確認のうえお出かけ下さい。

さらに行政も……。
宮城県の村井知事は3月10日、被害額の最大9割が国から補てんされる激甚災害の指定を農水省に要望しました。
3月半ば現在、施設の費用に関しては「指定が有力」と伝えられていますが、実は被害額の算定方法にも問題を指摘する声があります。
施設もろもろは減価償却しているという事で、新品の半額しか組み込まれないのです。
つまり、新しく施設を購入しようとすると、表向きの被害額の倍かかってしまうわけですね。
コレはとても理不尽な話に思われます。

生産者も漁協の方も「コレで辞めてしまう人が出て来るのがいちばん心配」と話していました。
施設の撤去や処分にかかる費用を県が最大3分の1まで補助する事も決まりましたが、私達に出来る事は、こうした被害を忘れずに三陸の海の幸をどんどん買って食べる……という事です!
コレは僕からもぜひ、お願いしたい事です。
津波から半月。被害の全貌が徐々に明らかになる中、支援の輪をますます広げる必要があると感じました。



[平成22年3月3日(水)放送]
画像 画像 画像 画像 画像 ●Disc.44

「仙台に地獄があった!?」

今回は、M.N.ケロンパさんから
「仙台に地獄があるとの事なんですが、自分で行くのはイヤなので調べて来て下さい」
といったリクエストです。
あの〜ケロンパさんが行きたくない所には、多分僕も行きたくないんですが……。仕方ない、行きましょう。

情報をもとに訪れたのは、青葉区青葉山、成田山国分寺のすぐ隣にある赤門美術館。
果たしてココに人々の恐れる地獄があるというのでしょうか?
さっそく案内書きの示すとおり、地下2階フロアへ下りてみると……。

何じゃコリャぁあああ!!!
(松田優作演じるジーパン刑事のつもり)

様々な美術品や骨董品を収める赤門美術館の地下2階に、地獄をテーマにしたジオラマが広がっていたのです!
細かなディテールまで作り込まれた人形の数々に思わず釘付け。今にも動き出しそうな迫力です。
さっそく館内をじっくり見て行きましょう。

死後の世界の旅路は、三途の川の渡しから。
流れの先に死者を待つのは天国か地獄か?

さらに進むと閻魔大王の裁き、地獄のお白州です。
やはり閻魔大王は恐ろしいですね〜。
特に小学校低学年ぐらいまでの子どもは、泣いて帰ってしまったり「もう悪い事はしません」と、親に謝ったりする様子が見られるそうです。

リアルなジオラマは、何と大手教材メーカー「学研」が監修しているのだとか!

画像 さて。無事、地獄行きが決まったら(笑)、ココからは赤門美術館の管理員である吉岡清さんに、館内を案内して頂きましょう。
皆さんがドキッとするような、身に覚えのある地獄も出て来ますよ!
画像 画像 ●賽の河原
水子や、両親よりも早く死んでしまった幼い子どもの霊が集まる河原。
父母恋しさに石を積むが、鬼が出て来てそれを突き崩してしまう。積んでは崩し、積んでは崩しを繰り返す悲しい死後の世界。
一体ずつ異なる子どもの人形の表情に、鬼気迫るをものを感じます。


画像 ●大叫喚地獄(うそつき地獄)
嘘をつくと舌を抜かれてしまうぞ!というのがココの場面ですね。
怖いですね〜。恐ろしいですね〜。


画像 画像 画像 画像 ●叫喚地獄(酒乱地獄)
生前、酒に溺れて事件や事故などを起こした者はココにやって来ます。
血の池に落とされたり、煮えた銅を飲まされたりなどの折檻を受けます。
赤門美術館の吉岡さんも、酒乱地獄と聞くとちょっとドッキリするのだとか。
「私はきっとココに来ます」とは、ご本人談です。

●蜘蛛の糸
恐ろしい地獄の責め苦にも一筋の救いが!
芥川龍之介の作品でも知られる「蜘蛛の糸」。
地獄に落ちても生前の小さな善行さえあれば、仏様が糸を垂らして極楽へ引き上げて下さる……
という有名なエピソードが再現されています。

それにしても、一体なぜこんな地獄の展示施設なんか作ったんでしょうか?
この展示が出来たのは1986年の事。
当時、学校でのいじめが大きな社会問題となっていました。
赤門財団 創始者の国分壮(さかり)氏は生前、地獄の景色に触れる事で生きている事=命の尊さを感じてもらい、いじめを減らせたら、と考えたそうです。
「生きているうちに善行を積みなさい」というメッセージでしょうか?

ちなみに展示の最後に「極楽」のジオラマもあります。
正直言って、地獄の力の入れように比べると若干の脱力感を覚えなくもないのですが、それはそれ。皆さんもご自身の目でお確かめ下さい!
赤門美術館には、地獄の他にも美術品のフロア・武家屋敷・七不思議館などの展示施設が入っていて、それぞれに異彩を放っています。
興味のある方はぜひ出かけてみてはいかがでしょうか。

●問い合わせ
『赤門美術館』
 青葉区青葉山33-1(成田山国分寺となり)
 022-224-1877


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