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●Disc.44
「仙台に地獄があった!?」
今回は、M.N.ケロンパさんから
「仙台に地獄があるとの事なんですが、自分で行くのはイヤなので調べて来て下さい」
といったリクエストです。
あの〜ケロンパさんが行きたくない所には、多分僕も行きたくないんですが……。仕方ない、行きましょう。
情報をもとに訪れたのは、青葉区青葉山、成田山国分寺のすぐ隣にある赤門美術館。 果たしてココに人々の恐れる地獄があるというのでしょうか?
さっそく案内書きの示すとおり、地下2階フロアへ下りてみると……。
何じゃコリャぁあああ!!!
(松田優作演じるジーパン刑事のつもり)
様々な美術品や骨董品を収める赤門美術館の地下2階に、地獄をテーマにしたジオラマが広がっていたのです!
細かなディテールまで作り込まれた人形の数々に思わず釘付け。今にも動き出しそうな迫力です。
さっそく館内をじっくり見て行きましょう。
死後の世界の旅路は、三途の川の渡しから。
流れの先に死者を待つのは天国か地獄か?
さらに進むと閻魔大王の裁き、地獄のお白州です。
やはり閻魔大王は恐ろしいですね〜。
特に小学校低学年ぐらいまでの子どもは、泣いて帰ってしまったり「もう悪い事はしません」と、親に謝ったりする様子が見られるそうです。
リアルなジオラマは、何と大手教材メーカー「学研」が監修しているのだとか!
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さて。無事、地獄行きが決まったら(笑)、ココからは赤門美術館の管理員である吉岡清さんに、館内を案内して頂きましょう。
皆さんがドキッとするような、身に覚えのある地獄も出て来ますよ!
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●賽の河原
水子や、両親よりも早く死んでしまった幼い子どもの霊が集まる河原。
父母恋しさに石を積むが、鬼が出て来てそれを突き崩してしまう。積んでは崩し、積んでは崩しを繰り返す悲しい死後の世界。
一体ずつ異なる子どもの人形の表情に、鬼気迫るをものを感じます。
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●大叫喚地獄(うそつき地獄)
嘘をつくと舌を抜かれてしまうぞ!というのがココの場面ですね。
怖いですね〜。恐ろしいですね〜。
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●叫喚地獄(酒乱地獄)
生前、酒に溺れて事件や事故などを起こした者はココにやって来ます。
血の池に落とされたり、煮えた銅を飲まされたりなどの折檻を受けます。
赤門美術館の吉岡さんも、酒乱地獄と聞くとちょっとドッキリするのだとか。
「私はきっとココに来ます」とは、ご本人談です。
●蜘蛛の糸
恐ろしい地獄の責め苦にも一筋の救いが!
芥川龍之介の作品でも知られる「蜘蛛の糸」。
地獄に落ちても生前の小さな善行さえあれば、仏様が糸を垂らして極楽へ引き上げて下さる……
という有名なエピソードが再現されています。
それにしても、一体なぜこんな地獄の展示施設なんか作ったんでしょうか?
この展示が出来たのは1986年の事。
当時、学校でのいじめが大きな社会問題となっていました。
赤門財団 創始者の国分壮(さかり)氏は生前、地獄の景色に触れる事で生きている事=命の尊さを感じてもらい、いじめを減らせたら、と考えたそうです。
「生きているうちに善行を積みなさい」というメッセージでしょうか?
ちなみに展示の最後に「極楽」のジオラマもあります。
正直言って、地獄の力の入れように比べると若干の脱力感を覚えなくもないのですが、それはそれ。皆さんもご自身の目でお確かめ下さい!
赤門美術館には、地獄の他にも美術品のフロア・武家屋敷・七不思議館などの展示施設が入っていて、それぞれに異彩を放っています。
興味のある方はぜひ出かけてみてはいかがでしょうか。
●問い合わせ
『赤門美術館』
青葉区青葉山33-1(成田山国分寺となり)
022-224-1877
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