ど〜なの?DJ
皆さんからの素朴な疑問・質問にお答えするべく
DJ淳吾が調査・奮闘するコーナー。
なんでも聞いてください!お待ちしています。


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[平成22年5月26日(水)放送]
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「山鉾はどこへ行く?」

今回は盛り上がった「仙台青葉まつり」に関する「なるほどたしかに気になる!」というご質問。
M.N.ちゅんちゅんさんから「お祭りの後、山鉾はどこに行くんですか?」といった内容です。
考えれば考えるほど、不思議ですねぇ。

青葉まつりといえば、仙台に初夏の訪れを告げる風物詩。第26回の今年は好天にも恵まれ、2日間で過去最高93万人のお客さんが、陽気なすずめ踊りや勇壮な山鉾巡行を楽しんだわけですが……。

まつり当日、山鉾を見ながら街の皆さんに聞いてみると「倉庫?」「神社かしら?」「公園」「山に帰る!……八木山?」といった様々な意見を聞く事が出来ました。
皆さん、山鉾の行き先について色々と想像を膨らませて下さったようですが、真相は果たして?

取材班は、青葉まつり終了後の後片付けの様子を見てみる事にしました。
祭りで使われる山鉾は、全部で11基。仙台市役所前の勾当台公園に集められたあと、人通りの少なくなる日没を待ってクレーンによる解体が始まります。
バラバラになった山鉾を載せ、出て行くトラック。作業は夜通し続きそうです。
一体どこへ!?行き先が大いに気になるところですが、夜も更けて来たのでとりあえず撤収。
後日あらためて事務局を訪ねる事にしました。

対応して下さったのは、青葉まつり事務局の広報担当・遠藤瑞知(みずとも)さん。
山鉾の行き先について「ご案内しましょうか」と、あっさりOKの返事を頂きました。
やったあ!ありがとうございます。

遠藤さんの車の後ろを、東に走ること約20分。
たどり着いたのは、宮城野区日の出町の倉庫街の一画。
かなり大きな建物のようですが……。
山鉾はココにあるのか!?いよいよ対面です。
電動のシャッターを開けて頂くと、ありました!ありました!

サッカーグラウンドが丸々入ってしまうほど広大な敷地。
この屋内の倉庫に、出番を終えたばかりの山鉾11基は車両部分と飾り付けとに分かれ、所狭しと収納されていたのです。
山鉾の平均重量は約6トンもあるとか。6トンは普通乗用車4〜5台分の重さです。あらためて、その迫力に目を見張ります。

それにしても、よくコレだけの敷地がありましたね。
遠藤さんいわく、ココは元々市バスの車検場だったそうです。
なるほどたしかに倉庫内には、車両の点検にあたっていた当時の設備や看板など、面影があちこちに残されていました。

仙台青葉まつりに勇壮な山鉾が登場したのは、1988年の第4回開催から。
祭りの目玉として新たに造られた巨大なオブジェでしたが、保管用の広いスペースが必要となり、仙台市ではその前の年に閉鎖されたばかりだった市バスの車検場を、再利用する事にしたのです。
ちなみに仙台市所有の土地・建物であるため、当然 賃料などは一切かかっていないという事です。

事務局の皆さんは、この場所で季節ごとの「拭き掃除」や「換気」といったメンテナンスをされているそうです。
倉庫内は、湿気よりもむしろ埃が大敵だそうで、拭き掃除が出来る飾り付けは良いのですが、緞帳や幕などの布類は、事務局がある仙台市分庁舎にも倉庫を持っていて、そこで管理しているのだとか。

堅牢な台車に豪華な飾り付け。山鉾は協賛企業が出資し、1基あたり5,000万円から7,000万円(!)という巨額の製作費で造られました。そのため季節ごとの手入れは元より、管理には万全を期しているそうです。
遠藤さんも「本当はいくらでも見て頂けたらと思うが、コレだけの物のセキュリティを考えるのは相当大変」と言います。

1年にたった1度の晴れ舞台。だからこそ、熱い思いが集約されるのかも知れませんね。
山鉾はコレからこの屋内倉庫で静かに、来年の青葉まつりを待つ事になります……。



[平成22年5月12日(水)放送]
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「日本酒の風雲児がかかげる酒道とは?」

「酒道」という言葉、皆さんはご存知ですか?
今回はこの「酒道」という流儀を通して日本酒の新しい楽しみ方・魅力を、仙台から世界に発信しようという人をご紹介します。

ゴールデンウィークのある日 我々は、 「酒道」 に関する講習会が開かれると聞き、青葉区上杉にある勝山館を訪れました。
講師は、日本酒をもっと自由に楽しもうと提案する伊澤治平さん42歳。
伊達家御用蔵として300年以上続く勝山の12代目蔵元です。
パリやフィレンツェでレストランをプロデュースするなどキャリアを積んで来た治平さんは、いま「酒道」を通して日本酒業界に革命を起こそうとしています。

治平さんの言葉を借りれば、酒道とは「酒を知り己の遊び心を解放する 『道』である」との事です。
平たく言えば、日本酒の本当の魅力を知って、もっと自由に楽しもうよ……
といったところでしょうか?

この日 集まったのは、ふだん日本酒をあまり飲まないという女性ばかりです。
ワイングラスに注いだり、色々な料理に合わせたりもする 「酒道」 とはいえ、皆さんに受け入れてもらえるのでしょうか?
楽しみ半分……不安半分。でも、それはすぐに歓びに変わりました。
治平さんの講義が楽しいし、何よりお酒が美味しい。
そのまま飲んでもじゅうぶん美味しいお酒が、治平さんの自由かつ大胆な発想でさらに違う世界を見せてくれるのです!

@ ジンジャーエールで割る!
勝山の純米大吟醸「暁」を惜しげもなく、何とジンジャエールで割ってしまおうという、いきなりの荒技です。
暁をシャンパングラスに注ぎ、ジンジャエールを3分の1ほど加えたら、レモンピールをサッとしぼって香り付け。
コレだけで、ただでさえ美味しい日本酒がさらに香り高く、飲みやすくなるんですね。

A シャンパンに注ぐ!
今度は、シャンパンに 「暁」 を注いで行きます。
コレだけで何年も熟成を経たヴィンテージ物のシャンパンみたくなるなんて……スゴすぎます!
たしかに、まだ若々しく酸が立っていたシャンパン(それだってとても美味しいのですが)の、角が取れてまろやかになった感じ。皆さんも、その変化に驚きです。なのに、元のシャンパンの味が死んでいないんです!

B 料理にかける!
生ハムやパスタ、肉などに「暁」や「元」をかけてしまおうという、治平さんの「酒道」炸裂です。旨味伝導率UPといったところでしょうか?
淡麗辛口全盛の日本酒ですが、原料のコメから来る甘味や旨味こそが本来の魅力だと、治平さんは言います。「暁」や「元」は、そうした日本酒のポテンシャルが十分に発揮された、世界のどんな料理とも合わせられるお酒。 酒道の大胆な発想に応えるだけの懐の深さがあるのです。

治平さんがコレだけ大胆なアイデアを次々繰り出すのも実は、同じように自由に酒を楽しんだ伊達政宗への憧れからでした。
伊達者で知られたグルメの武将は、当時の最高の料理(和食だけでなくイタリアンやフレンチもあったとか!)と合わせられるだけの贅沢なお酒を、様々なスタイルで自由に味わっていたのですね。

ですから、そのお酒に追い付きたい……伊達政宗の楽しんでいた文化をさらに昇華させて次世代に受け継ぎたい!そんな思いが治平さんを突き動かしているのかも知れません。

現在の勝山は、300年以上続いた日本酒のラインナップから脱却し、新しい日本酒作りに取り組んでいます。
そうした変革も、治平さんが指揮を執って行なった事でした。
歴史を刻んだ上杉の酒造所から、泉ヶ岳山麓に2006年に移転。遠心分離機など最新の設備を用い、今まで以上に手間暇かけた酒造りに取り組んでいます。
ココから勝山の全く新しい日本酒「暁」や「元」といった酒が生まれたのです。

これらの日本酒は先月から、全日空 欧米路線のビジネスクラスドリンクに採用されています。
ワインなど洋酒がメインの国際線で実現した、快挙です。
平均価格が \2,000程度という日本酒の基準からすれば、\10,500という 「暁」や 「元」はとんでもない価格のお酒かも知れまん。
でもワインの最高級が数十万、数百万なのを考えると、ある意味「破格」という考え方もあると治平さんは言います。
僕自身は、特に「元」が好みかな?1年に1本でもこのお酒を飲むために一生懸命仕事をしよう……と思えるお酒でした!


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