ど〜なの?DJ
皆さんからの素朴な疑問・質問にお答えするべく
DJ淳吾が調査・奮闘するコーナー。
なんでも聞いてください!お待ちしています。


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[平成22年9月29日(水)放送]
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「アルミの蓋が溶け出した梅干…食べられる?」

今回のリサーチ依頼は、富谷町にお住まいのM.N.「あすあん」さんから。

「初めて梅干を漬けてみたのですが、重石に使ったアルミの蓋が溶けてしまいました。食べても大丈夫ですか?」
という内容です。
調べるうち、色々と面白い事が分かって来ましたよ。

早速あすあんさんのお宅を訪ね、問題の梅干とアルミのふたをそれぞれ見せて頂きました。
梅干のほうは、何も変わったところはないようです。
しかしその梅干を漬けるのに用いたアルミの蓋。
たしかに所々腐食して、落としぶたの穴が大きくなってしまっています。その分のアルミニウムが、梅干や漬け汁の中に溶け込んだものと思われます。

ちなみに、あすあんさん。もうひと瓶 鉄の蓋を使い梅干を漬けたのですが、コチラのほうも少し腐食が進んでいました。

あすあんさんに聞いてみます。
 「食べてみたんですか?」
 「はい……ひと粒だけ」
 「ええっ!食べちゃった!?」

そんなやりとりがあって、僕もアルミが溶け出したかも知れない梅干のほうを、おそるおそる頂いてみる事にしました。

うわ〜〜〜〜〜しょっぱい!ちょっと塩が利き過ぎちゃいましたかね?
でも白いご飯と一緒食べたら絶対美味しいはず。
味だって、特に変わったところはないようです。はたして食べても大丈夫なんでしょうか(もう食べちゃったけど)?

今回の疑問を、東京にある (社) 日本アルミニウム協会にぶつけました。
田尻彰 理事です。ズバリお答え頂きましょう!

「アルミが溶け出したと思われる梅干……食べても大丈夫ですか?」
「問題ないと思います」

やりました〜!その答えを聞いて、まずはホッとひと安心です。
聞けばアルミニウムは、地球の表面=地殻を構成する元素のうち、酸素やケイ素(シリコン)の次に多い8%と、豊富に存在しています。私達が口にする、ありとあらゆる食品に含まれているという事なんですね。

ところで「アルミは錆びにくい」と 理科の授業で習った記憶があるのですが、簡単に腐食してしまっていたのはどうしてなんでしょうか?
田尻さんによると、鉄のような赤サビにならないというだけで、アルミも腐食するそうです。
特に塩や酸に弱いそうで、なるほど梅干のような食品に用いるのは過酷な環境なのかも知れませんね。
ただし、料理に使ったぐらいでアルミ製品が腐食する心配はなく、あくまで長期間漬けておいた場合の話だそうです。

そういえば、メールネームあすあんさんは、鉄の蓋でも梅干を漬けていたんでしたね。
あちらの梅干は、食べても大丈夫なんでしょうか?
今度は東北生活文化大学に、健康栄養学が専門の先生を訪ねました。鈴木裕行教授です。

鉄が溶け出したと思われるほうの梅干は、はたして食べても大丈夫なんでしょうか?
鈴木教授のお答は、やはり「問題ない」との事でした。
しかしアルミと比べると、鉄は人体にとっての必要性に大きな違いがあるといいます。

というのも、アルミニウムは食品として積極的に摂取する必要のない元素であるのに対して、鉄は体にとって不可欠な元素だからだそうです。
例えば、血液中にあって酸素を運ぶヘモグロビンは、鉄を主な成分としています。
他にも鉄は呼吸に関わる様々な酵素の働きを助けていて、毎日ある程度の量を摂取する必要があるというのです。

なるほど。疑問が解けたところで、今回のあすあんさん特製の梅干を鈴木教授にもおすそわけしました。
鉄が多く溶け込んでいると、いわゆる「鉄の味」がしてしまうという事ですが、これは問題ないみたい。
やっぱりちょっと塩がきいてるかな〜という鈴木教授の感想でした(笑)。

でもあすあんさん!初めて漬けた梅干……捨てずに済んで本当に良かったですね。
美味しく召し上がって下さい!!



[平成22年9月15日(水)放送]
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「不漁のサンマをプロの技で美味しく!」

M.N.サンちゃん大好きさんからメールを頂きました。
「今年はサンマが高いですね〜!こんな時こそ美味しく食べるコツを教えて欲しいです」
というご質問です。

日本の食卓に欠かせない秋の味覚 「サンマ」。
今年は猛暑の影響もあって海水の温度が下がらず、冷たい海の魚であるサンマは記録的な不漁となり、価格も高値で推移しています。

でも、それでも食べたいという方は多いはず!
サンマの塩焼きと来たら、ご飯もお酒もいくらでも進む絶品ですからねぇ。
せっかく買うのであれば、美味しい物を美味しい調理法で楽しみたいですよね。

まずは横浜にある中央水産研究所に、美味しいサンマの選び方から聞きました。
魚の利用加工に詳しい、金庭正樹さんによるとポイントは大きく4つほど。
以下にご紹介しましょう。

@ 大きくて太っているサンマ
当然、エサを沢山食べていて栄養状態も 良く、脂がのっています。

A 光沢があるサンマ
魚体が輝いているのは、肉にしまりがあり、皮も 内側からピンと張っているから。鮮度が落ち肉が柔らかくなると、光沢もくすんでしまうといいます。

※ 実はこの「肉の張り」は、いわゆる死後硬直によるものだそうです。
死後硬直というと物騒に聞こえますが、特に青魚の場合は死後硬直の 残るうちが新鮮で美味しいのだとか。
サンマの尾を持ちピンと立ててみると、死後硬直の終わった物は グニャッと倒れてしまいます。
こんな判断方法もあるのですね。お店の方が見ている所ではあまり出来ませんが。

B 目がクッキリ澄んでいるサンマ
古くなると目が濁って来てしまいます。
充血してしまう感じでしょうか。

C 背中の青がクッキリしたサンマ
一般に鮮度が落ちた魚は、クッキリした 色合いも失なわれ行くのですね。

ちなみに、よく言われる「口ばしが黄色いサンマは新鮮」という判断基準はあまりあてにならないそうです。
金庭さんによると、古くなっても口ばしが黄色いままのサンマもいれば、逆に最初から口ばしの色が薄いサンマもいたりして、個体差なども考慮しないといけないそうですよ!

さて。美味しいサンマの選び方を教えて頂いたら、あとは実践あるのみです。
やって来たのは仙台朝市の一画にある 「金華山」 野商店。さっそく、この日水揚げされたばかりのサンマを見せて頂き、とっても驚きました。

見るからに新鮮なサンマが並んでいますが、生サンマ¥90に対し、特大の生サンマは¥550!
ザッと6倍以上の価格差があるのです。
2種類のサンマを見比べてみると、そこには魚体の太さに歴然とした違いが……。
なるほど、大きいほうが金庭さんもお話していた、まるまる太ったサンマというわけですね。

ココは迷わず奮発して、¥550の特大 生サンマをゲット!
正直お値段が張るなぁ〜と思いましたけど、今年は不漁だからであって、例年なら¥300程度で売られている魚なのだそうです。

いよいよこの特大 生サンマをプロの技で調理して頂きます。
極上の 「サンマの塩焼き」を教えて下さるのは鮮魚のスペシャリストである、野商店の村田洋一さん。

まずはサンマだって、美味しく食べるにはウロコをとる作業から。
サンマでウロコを取るなんて話はまったく頭になかったんですが、このひと手間を丁寧に行なう事で、口当たりも抜群に良くなるのです。知らなかったぁ!

おや?かなりタップリ塩を振ってますね。
実は、脂の多いサンマは焼くと脂と一緒に塩が落ちてしまうため、最初から多めに振っておく必要があるそうです。

さらにココで、おかみさんの野治子さんから驚きの裏技も飛び出しました!
サンマにスプレーで何かかけています。
何と、日本酒でした。こうする事で、サンマのコクが数段UPするのだそうです。
元々相性が良いとされるサンマと日本酒ですが、意外な形でのコラボレーションに思わずうなってしまいました。
晩酌がますます進んだりして(笑)。

今回は一般家庭の条件に近付けるため、七輪や網を使った炭火焼ではなく、あえて水を入れて焼くグリルタイプの物を使用します。
最初から強火で焼けるように、あらかじめ加熱しておくのがポイントです。

焼き時間はグリルの火力ごとに違いますが、基本的にはタップリ焦げ目が付くまでじっくり待てば食べ頃。
したたり落ちる脂に食欲がそそられる……おウチの台所で出来うるかぎり最高のサンマの塩焼きが完成しました。

さっそく食べさせて頂くと、美味い!!!肉がホロホロと口の中でほぐれます。
コクがあって、一見塩を振りすぎているかな〜とも思ったところがちょうど良い塩味で、その中にも脂の甘さが混じる。
いやぁ、最高のサンマを最高の焼き方で調理するとこうなるのですね!感無量です。

皆さんもぜひ、プロの技をおウチで試してみて下さいね。
ごちそう様でした!



[平成22年9月1日(木)放送]
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「この夏 みやぎで売れた物」

この夏は暑かったですねぇ……っていうか、まだまだ暑いんですけどね。
真夏日や熱帯夜の日数、平均気温まで記録的な猛暑の結果、売れた物=笑った人を独自の視点で探してみよう、というのが今回のリサーチ内容です。
景気の良い話を聞きたいですしね。

冷えたラムネは売れたんじゃないかな?というわけで、宮城野区小田原にあるトレボン食品へ。
ラムネやサイダー、アイスコーヒーなどを製造する、創業60年の飲料メーカーです。

鶴戸社長によれば、この夏ラムネは、前年比200%という驚異的な売れ行きを記録したそうです。
例年トレボン食品では、ラムネ全体の8月前半の出荷量は15万本ほどですが、今年は倍の30万本に達したといいます。
当然、製造ラインもフル稼働で、早出や残業をバリバリこなしてようやく日曜日だけは休みが確保できたようです。

……それにしても社長、今はラインが動いていないみたいですが?

鶴戸社長「そうなんです。ラムネはお盆が過ぎればシーズンオフに 入ってしまうんです」

何と!残暑はまだまだ厳しいものの、8月前半までで売れ行きはパタリと止まってしまったそうです。
悲しい事に、それ以降はどんなに暑くても商品が全然動かなくなってしまったのだとか。
消費者ってゲンキンですね、僕もその1人なんですけど。
製造ラインを見ていると「兵どもが夢の跡」という、芭蕉の句を思い出してしまいました。

下を向いてばかりもいられません!ラムネのシーズンOFFを乗り切るべく開発された新商品を飲ませて頂きました。
それが「いちごミルクラムネ」や「子どもの晩酌サイダー」(ノンアルコールです!)といったユニークな物。
いちごミルクは「そのまんま」の香りですし、晩酌のほうもちゃんと日本酒の香りがして良い気持ちになって来るんですよ(笑)。社長!シーズンOFFもコレで頑張って下さいね。

さて。ラムネはひと息ついたようですが、まだまだ熱い商品の情報を得て、みやぎ生協を訪ねました。それが「熱中飴」シリーズです。

熱中症予防のために開発されたこの飴は、塩分が摂れるレモン味や梅味をラインナップ。
この夏の暑さで、生協の売場でも品薄の状態が続いているそうで、今年は去年の同じ時期の3倍の数が売れたというから驚きです!
特に、年配の方やスポーツをしている方が買って行く事が多いそうですよ。

宮城でも売れに売れまくっている、この熱中飴シリーズ。大阪府豊中市にあるメーカーに電話で話を聞きました。井関食品の井関優社長です。

井関社長によれば、発売4年目の今年は前年比10倍の注文が殺到し、電話やFAXが鳴り止まなかったそうです。
生産も全く追い付かず、8月後半になってようやく間に合うようになって来たのだとか。
いや〜猛暑の経済効果ってスゴいんですね!

ところでこの熱中飴シリーズ。
そもそもの開発の経緯を井関社長に伺うと、建築会社が現場で水分や塩分を摂るよう指導していた事がきっかけだそうです。
水分はともかく、塩だけといってもなかなか美味しく頂けるわけではありませんよね。
井関社長は「手軽に美味しく塩分補給を」という建築会社からのリクエストを受けて、この熱中飴を作ったのでした!

……というわけで、手に入れた「熱中飴II」(梅塩味)を、暑い中 現場で作業をされている皆さんに、勝手に差し入れする事に。
すると、塩っぽさが好評!中には、すでに現場で愛用しているという方もいらっしゃいました。

ラムネや飴を取材して、どこも「生産調整に苦労しているなぁ」という印象を持ちました。
今年の猛暑で作るのが追い付かないような商品もあれば、涼しくなるとすぐ在庫を抱えてしまうリスクがありながら、ラインをフル稼働させたような会社も。
イレギュラーな暑さだから、それも仕方ないのかも知れません。

この先もしばらく暑さが続きそうで、今度は秋物商戦が鈍って来る恐れもあるとの事です。
企業の生産調整も難しそうで、少し心配ですね。


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