ど〜なの?DJ
皆さんからの素朴な疑問・質問にお答えするべく
DJ淳吾が調査・奮闘するコーナー。
なんでも聞いてください!お待ちしています。


FAX:022-229-2385 MAIL:watch-in@tbc-sendai.co.jp



[平成24年1月18日(水)放送]
画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 ●Disc.81

「仙台城跡への道はいま……」

今年も隔週(水)の「DJ」のコーナーに、質問やメッセージをお寄せ下さい!宜しくお願いしますm(-.-)m

さて2012年初回の「DJ」は、仙台市中心部にいまだ残る震災の爪痕について。
仙台城跡へ向かう天守台のルートは、震災発生後いまだに通行止が続いたままです。復旧までに時間がかかるのは、一体どうしででしょうか?
観光はもちろん生活道路としても重要な道ですが、現在の様子はどうなっているのか、カメラが入りました。

リサーチはすでに、元日からスタートしていました。
仙台城跡にある宮城県護国神社の初詣客には、隅櫓から徒歩でのぼって来る方が何人もいます。
息を切らす人もいれば、体力的にキツイと語る方も。車道を歩いてのぼる人の姿は、去年までは見られなかった光景です。

隅櫓から仙台城跡への市道は、震災で石垣が崩れるなどしたため 現在、車両通行止め。八木山や青葉山から迂回する必要があります。
3年後の春=2015年3月の復旧へ向け、工事が行なわれるとの事ですが……。
去年までと比べてアクセスが限られている中、元日には護国神社に初詣に訪れる人の車の列も出来ていました。

実は私にとって、ココは震災直後に東北放送へ向かう途中、八木山橋が危険との事で通れず数時間足止めされた場所。
あの日を思うと、初詣客の笑顔があふれる光景は何だか信じられないような気持ちでした。
それにしても市道の復旧まであと3年以上とは、長すぎる気がします。一体どんな事情があるのでしょうか?

松の内も明けて1月中旬。我々取材班はもう一度、仙台城跡を訪ねました。

権宮司の田中於兎彦さんに、初詣客の出足についてお話を聞きました。
今年に関しては、元日の天気が穏やかだったにもかかわらず出足が良くなかったそうです。
詳しい人出は数えていないものの、若干少なかったというお話でした。
田中さんは「震災の影響があったかは分からないが、アクセスが良くないという部分で後遺症を感じる」と語っていました。

今回、私達は仙台市の許可を得て職員同行のもと、通行止めが続く市道を撮影する事にしました。
仙台市教育委員会 文化財課の吉岡恭平課長と一緒に、下から市道に入って行きます。

当日はあいにくの雪。新雪に足跡を付けながら歩いて行くのは、私もよく利用していた車道なだけにとても不思議な気分です。
崩れた石垣こそブルーシートで覆われているものの、その他の目に見える復旧作業は進んでいる様子がありません。

吉岡課長に、まずは今回のもっとも根本的な疑問をぶつけます。

一般的な感覚からすれば、石垣の復旧および通行止め解除まであと3年以上というのは、時間がかかり過ぎる気がします。どうしてでしょうか?

吉岡課長は、石垣復旧工事の手順を説明して下さいました。
まず、今ある石の1つ1つに番号を振ってどこにあった物かをすべて記録します。
その後、構造などを丁寧に調べながら解体し、集めたデータをもとに復元する……。

震災では、仙台城跡を構成する数千個の石垣が崩れたりズレたりしました。
文化財としての価値を考えてコレまでの石を使って行なわれる復元作業では、元々の石の場所を、1つ1つ確認して組みなおす必要があるというのです。

こうした丁寧な作業の根底には、政宗公時代の築城から400年以上が経ち、今に受け継がれるシンボルである石垣を、何としても後世に伝えて行かなければならない……という思いがあるそうです。
早急に直すのではなく、正確を期して慎重に行なう必要性を強調していました。

「それでもとりあえず危険な石を撤去するなど応急措置をして、車を通すだけでも出来ませんか?」

そう尋ねてみましたが、検討した結果やはり復旧の方針は変わらなかったそうです。

ところで震災では、石垣だけでなく、片側1車線の市道にもヒビ割れなどの被害が出ました。
センターラインを越えて落ちた石も残されたまま。
谷側の擁壁も含めて付近の道路が危険な状態である事も、市では作業に時間がかかる理由の1つに挙げています。

今のままでは、八木山動物公園にパンダが来ると大渋滞も懸念されますが、その辺はどのようにとらえているのでしょうか?

市教委文化財課の吉岡課長は「パンダはいつ来るか分からないので、それを念頭に作業を進める事にはならないが、出来るだけ早く進められるよう頑張りたい」といったようなお話をしていました。

また、2015年開通予定の地下鉄東西線については、八木山・青葉山へのアクセスを良くする存在として当然、念頭に入っているそうです。
国の第三次補正予算も決まり、現在は解体業者の決定作業だとか。
「正確に慎重に」はもちろんですが、生活道路として観光道路として重要なこの市道の、1日も早い復旧をお願いするものです。



バックナンバー  最新版
BACK
line
UP↑