ど〜なの?DJ
皆さんからの素朴な疑問・質問にお答えするべく
DJ淳吾が調査・奮闘するコーナー。
なんでも聞いてください!お待ちしています。


FAX:022-229-2385 MAIL:watch-in@tbc-sendai.co.jp



[平成24年3月28日(水)放送]
画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 ●Disc.86

「震災で県内のダムに被害は?」

これから雪解けの時期という事もあって、今回はダムに注目しました。
ダムの防災対策についての「DJ」です。

去年3月11日。震災で震度6強の揺れを観測した福島県須賀川市では、農業用の藤沼ダムが決壊して下流の民家などが流され7人が死亡、1人が行方不明となりました。

では震災で宮城県内のダムに、このような被害や影響はなかったのでしょうか?

青葉区西部にある大倉ダムを訪ねました。
広瀬川上流の大倉ダム は、仙台都市圏の主要な水がめとして1962年=昭和37年に造られてから丸50年。宮城県が管理するダムとしては、県内最大の規模を誇ります。

大倉ダムは、アーチ式のコンクリートダムが2基 連なった構造のダブルアーチ式ダム。
何でも、日本にココ1ヵ所しかないそうです。建設当時の調査の結果、工期が短く、工費も抑えられ、しかも元々の地形に向いている形との事で採用されたのだとか。

大倉ダム管理事務所の松澤所長に、ご案内をお願いします。
まずは、ダムを見下ろして湖面に氷が張っているのにビックリ!この日は、暴風警報が出ていた事もあって、寒い寒い!!

気になる現在の貯水率はというと、松澤所長によると21.5%。例年のこの時期に比べると少し低い数字との事ですが、それというのも今年は寒くて雪解けが進んでいないために水の量が増えないのだそうです。
ただし、雪が多かったという事は今後、水不足の心配はないとのお話。
しかしこんな所にも、まだまだ寒い今シーズンの影響が出ているんですね。

それでは、いよいよ本題です。
震災で、大倉ダムに被害はなかったのでしょうか?

松澤所長 「ダム本体に被害はありませんでした」

なるほど。

しかし、大倉ダムから5 kmほど下流……仙山線 陸前白沢駅近くにある水位観測所が、使えなくなってしまったそうです。
現在、仮の機材で観測を続けていますが、6月をめどにすぐ近くの別の場所で本格復旧を見込んでいるという事です。

たしかに観測所背面の崖が、相当な高さで土砂崩れを起こしていました。

ではそもそも、ダムの耐震性はどうなっているのでしょうか?

大倉ダムの場合、建設当時の基準に対応するように設計されたものの、その後2003年に取水口を新たに設置した際、最新の設計基準もクリアしている事を構造計算で確認しているそうです。

宮城県によると、一般にダムの寿命は計画上100年程度とされているものの明確な定義はなく、老朽化による再建なども国内では過去に例がありません。

今回、宮城県が管理する県内12のダム、さらに釜房湖など国が管理する3つのダム本体に、震災による被害はなかったという事です。
また、万が一の停電に備えそれぞれのダムが自家発電設備を持ち、さらに水力発電で起こした電気を自家消費できるダムもあるそうです。

水がめであると同時に、治水、発電など様々な用途を持つダム。
私達の生活に欠かす事が出来ないものである以上、その防災対策や緊急時の態勢に、関心を持つ必要があると感じました。

※ ちなみに大倉ダムは去年8月に県が命名権を売却し、仙台の産業廃棄物処理企業と契約を締結。
「仙台環境開発 大倉ダム」という名称になっているそうです。知りませんでした!



[平成24年3月14日(水)放送]
画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 画像 ●Disc.85

「眠れない時なぜヒツジを数えるの?」

今回は富谷町のペンネーム「焼肉大納言」さんから質問が届きました。

「眠れない時ヒツジを数えると眠くなるといいますが、昔やってみたら全く効果がありませんでした。なぜヒツジを数えるんですか?そもそもヒツジである事に意味はあるの?」

う〜む。言われてみると難しいですね。
難問に挑戦です!

実際にヒツジを数えてみよう……というわけで、取材班は県内でヒツジを飼育している場所を探し、急行しました。蔵王ハートランドです。

実は県内でヒツジをまとまった数、飼っている酪農家、畜産関係者を探すのは困難を極めました。
あるいはもっと多数飼っている所もあるかも知れませんが、ひとまずご協力を頂いた蔵王ハートランドの飼育頭数はそれでも4匹です。
日本人とヒツジの馴染みの薄さが、分かります。

ココでは雪が溶けるまでの間、放牧を行なわず畜舎でヒツジを育てています。
そういえば「ナマの」ヒツジに会うのは、ものすご〜く久しぶりか、もしかしたら初めてという僕。記憶にはありません。ヤギはあちこちにいるんですけどね。

というわけでさっそくお目にかかったヒツジ。モサモサとした毛におおわれ、何だか「かたまり感」があります。
隣にいるヤギに比べて目が可愛いな〜と、個人的には思った次第です。

さて、蔵王ハートランドの笠原さんに聞きます。

「ヒツジを数えていて、あるいは見ていて、眠くなる事はありませんか?」

笠原さんによると意識した事はないとのお話ですが、特に眠くなるような事もないと言います。
まあ頭数が限られていますから、数えていて退屈になって来る……というかそもそも数える必要すら、ないのでしょう。

ためしに私も数えてみましたが、やはり4匹程度で眠くなるような事はまったくなく、可愛いヒツジに会えて満足はしたもののリサーチは答えが出ませんでした。

そもそも眠れない時にヒツジを数えるという話は、どこからどうやって出て来たのでしょうか?
私自身小さい頃からの疑問でもある今回のテーマを、国際文化がご専門の東北大学石幡直樹教授に解決して頂きます。

石幡先生によると、牧羊文化が根付いていた英国などの欧米諸国ではヒツジは大切な財産であり、羊飼いはそれを朝晩、正確に数える必要があったそうです。
動き回る多くのヒツジを数える事は、面倒で眠くなる作業。それを寝床で思い出す事は、眠りを誘ったというわけですね。

ただし、ヒツジそのものは紀元前から世界中で飼われていただけに、眠れない時に数えるという発想の、詳しい起こりまでは分からないそうです。

ちなみに日本に牧羊文化が入って来たのは、明治以降に西洋文化が移入されてから。
それと同時に、眠れない時にヒツジを数えるといった話も伝わったようです。
実際、石幡先生の英米の同僚達は、こうしたヒツジにまつわるお話を子どもの頃から知っていたそうです!

では最後に、実際の効果について。
宮城学院女子大学心理行動科学科の大橋智樹教授にお話を聞きます。
心理学の立場から「眠れない時にヒツジを数える」、はたして効果があるのでしょうか?

大橋先生「効果はあります」

おおっ!そうなんですか。
大橋先生によれば、ヒツジを数えるという単調な行為の繰り返しが覚醒を低下させ、眠りにいざなう効果があるのだそうです。

また大橋先生によれば、ヒツジが一般に親しみやすく可愛い動物として認識されている事によるリラックス効果もあるそうです。
いくら単調な行為が眠りを誘うといってもオオカミや毛虫などを数えていては、なかなか眠れないというわけですね。

それでも僕自身、ヒツジを数えて実際に眠れたという人に出会った事がないのですが……。

実はコレ、大橋先生がなるほど納得というお答えを下さいました。
普段、ヒツジを数え慣れていない人が、眠れないからといっていきなりヒツジを数えて眠ろうとしても効果がないそうです。

入眠儀式といって、人間は眠る前に毎晩決まった行為を繰り返す(本を読む、水を飲むetc)事により、その先に眠りがある事を学習して眠くなるといいます。
これを心理学では「条件付け」と呼んでいて、この条件付けが伴わないヒツジのカウントはあまり効果がないという事なのでした。

さらに「効果を信じている人のほうが効果がある」というお話も!一種の自己暗示なのだそうです。

お分かり頂けましたか?眠れない時にヒツジを数える意味。
疑問が解けたところで、今夜はぐっすり眠れそうです……。



バックナンバー  最新版
BACK
line
UP↑