ど〜なの?DJ
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[平成24年4月11日(水)放送]
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「うるう秒って何?」

新年度を機に 「規則正しい生活をしよう」 と頑張っている方も多いでしょう。
そこで、今回のキーワードは「うるう秒」。1分1秒を大切に過ごすため、覚えておきたい言葉です。

4年に1度うるう年の今年は、2月が29日まであったんでしたね。とすると、うるう秒はやはり「1秒多い」という事なんでしょうか?
暦に詳しい仙台市天文台を訪ねました。学芸員の松下真人さんです。
ズバリ……うるう秒とは何か、お聞きしました。

「1日が1秒多い日があるという事なんです」

なるほど。やはりそうか!って一体どういう事なんでしょうか?
松下さんによると、世界の時計を決めるとても正確な原子時計と、地球の自転のズレを補正するための1秒なんだそうです。

地球の自転と、私達の時計にはわずかなズレがあるため、4年に1度、1日増やして調整するのがうるう年。同じようにうるう秒も、自転と時計のズレを調整するために1秒増やすというのです。

しかし気になるのは、そこまで細かい調整がなぜ必要なのかという事。
松下さんが、驚きの事実を教えて下さいました。

「地球の自転は、海と陸との摩擦で徐々に遅くなっています。そのため、私達の時計を調整してやる必要があるのです」

驚きました!聞けば、地球の自転はわずかながら、今後もどんどん遅くなって行くのだそうです。
はぁ〜スケールの大きな話ですね。たかが1秒とは言っても……。

しかし周期的、規則的に遅くなっているというわけでもなくて、あくまで不規則な話なのだそうです。
うるう年のような4年に1度といったルールはなく、パリにある「国際地球回転・基準系事業」という機関が原子時計とのズレを考慮して判断しているそうです。

ちなみに、今年はうるう秒が7月1日にやって来ます。日本時間の午前8:59:59と、9:00:00の間に1秒プラスされるのだそうです。
前回のうるう秒は、2009年1月1日の同時刻でした。1月1日か7月1日、つまり1年の中でも半年の節目に1秒挿入されるのが慣例となっているそうです。

ところで。我々が時計を合わせるのは、普通117の時報を利用した電話を使う方法。
それでは、7月1日のうるう秒が挿入される瞬間、117の音声案内はどのようになるのでしょうか?

小さいけど、考え出したら気になって仕方がない疑問。NTT東日本−宮城を訪ねました。営業部の野田恵美子さんにお話を聞きます。

野田さんによれば、たしかに117でもうるう秒を受けて時刻を補正するそうです。
しかし今回のうるう秒については、その方法がまだ決まっていないとの事。参考までに、前回=3年前の1月1日に行なわれたうるう秒の際の対応を教えて頂きました。

固定電話……午前8:58:20、つまりうるう秒の100秒前から、1秒につき100分の1秒ずつ秒音を長くしてちょ〜っとずつ時計を遅らせ、最終的に調整した。
おそらく、聞いていてもまったく気付かないうちに時間調整されていたのでしょうね。

フレッツ光電話……よりシンプルな方法。9時の時報を2回打った。

なるほど。今年のうるう秒は、どのように補正されるのでしょうか?皆さんも小さいけれど大切なうるう秒を、その瞬間だけでも意識してみて下さいね。

オマケ:
117の音声を読んでいる女性は、中村啓子(けいこ)さんという富山県出身のナレーターだとか。
変な抑揚がなく、かつ太い声が買われて選ばれたそうです。1991年から、現在の声だそうですよ!

補足:
実は「うるう秒廃止論」というものがあります。不規則に1秒を加える事によって、コンピュータにエラーが生じたり、データ修正のコストも膨大なものになるそうです。航空機の管制塔などでトラブルが起きる可能性も、ゼロではないとされています。そこまで細かい修正は必要ないのでは……という意見もあるのです。ご参考までに。



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