ど〜なの?DJ
皆さんからの素朴な疑問・質問にお答えするべく
DJ淳吾が調査・奮闘するコーナー。
なんでも聞いてください!お待ちしています。


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[平成24年6月27日(水)放送]
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「フライパン 〜小さな穴の大きな秘密〜」

今回は青葉区のM.N.洗うたびウンザリさんから届いた質問です。
「フライパンの持ち手の根元に、直径1〜2mmの小さな穴が開いているんです。コレは一体、何ですか?長年の疑問です」
という、不思議なお話です。

さっそく社内にあった料理コーナーなどで使うフライパンを数本かき集めてみると、ありますあります!
ハンドルの根元に小さな穴が2つずつ。コレも……こっちのも……。穴が開いていない物もあるにはあるようですが、何でしょうねコレ?
M.N.洗うたびウンザリさんによれば、洗うとき泡を含んだ水が、この小さな穴に入ってしまい、なかなか抜けてくれないとも言います。やってみましたが、たしかに。

僕は普段、料理をしないのでよく分かりません。フライパンを使う人なら知っているかもしれませんね。
街で実際にフライパンを見せながら、尋ねて回りますが……。

「何だろう?手がムレないように?」
「下に置くものとフィットさせるようにする穴かな?」
「食器洗い機に入れると、この穴から水が出て来る事がある。でも何のために開いているのかは……」

皆さんの答えも、あまり要領を得ないようです。ココはひとつ、プロにお答えを出して頂きましょう。
若林区卸町の老舗 奥田金物本店を訪ねました。
専務の山本潤美(ますみ)さんに、お聞きします。
フライパンの小さい穴は一体何でしょうか?

「水や空気を抜くための穴です」

はい?どういう事でしょうか。
山本さんいわく、フライパンはハンドルの中が空洞になっていて、洗う時ココに入ってしまった水を抜くために穴が開けられている……というのが一つ。
水が残ってしまうと、カルキが中のネジを腐食するなどして劣化を早めるのだとか。

多くのフライパンは、軽量化を主な目的にハンドル内部が空洞になっています。
ハンドルが重いとフライパンのサイズによっては平らに置けず傾いてしまうため、バランスを取っているわけです。ココに水を残さない工夫が、小さい穴となって表れているのですね。

もう一つ、この小さい穴には「圧力を抜く」という重要な役割があります。
理科の授業を思い出して下さい。水や空気は、温まると膨張する性質がありました。フライパンを加熱すると、ハンドル内部の水や空気が膨張して持ち手を痛めてしまうおそれがあります。そこで、内側からの圧力を逃がすために、穴が必要だったのです。

しかしですねぇ、穴が開いていないフライパンというのも見つけたんですけど。
山本さんとともにハンドル部分を分解してみますと、穴のないタイプのフライパンは、ハンドル内部が空洞ではありませんでした。
当然、中に水や空気は入りませんから、逃がすための穴も必要ないのです。なるほど!

さらに、ステンレス一体成型のタイプも中に水や空気が入らないため、やはり抜き穴は開けられていません。
穴の意味はよく分かったのですが、M.N.洗うたびウンザリさんは「洗うとき泡を含んだ水が、この小さな穴に入ってしまい、なかなか抜けてくれない」と悩んでおられました。
この点についてお聞きしてみますと、「先端を吊るして自然乾燥すると水がきれいに切れます」と山本さん。

自然乾燥を待たずすぐまた次の料理に使う場合は、穴の部分をタオルなどで包んでトントン叩いてやると水が出て来る……とのお話でした。

小さな穴には大きな役割があった!フライパンのお話でした。

☆オマケ☆
 山本さん直伝 「フライパンの正しい使い方」


1. 樹脂加工の物は空炊きしない。
   ⇒ 加工が剥がれてしまいます。

2. 強火は基本的に必要なし!
 ⇒ 熱ムラが起こりやすい。
 「強火でなくてもパラパラ炒飯は作れる」 by 山本さん

3. 使ったらすぐ洗う。
 冷たくなってからだと汚れが落ちず、熱の伝わり方も 悪くなってしまうそうです!



[平成24年6月13日(水)放送]
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「斜めの電柱……その正体は?」

今回は仙台市内の匿名希望の男性から届いた質問です。
「電柱に寄りかかるように立つ斜めの電柱が、ずっと気になっています!一体、何なんでしょうか?」
という内容です。

さっそく会社を飛び出して、リサーチスタート。
こうした電柱、実は探せばすぐに街のあちこちで見つかるんです。TBCからそう遠くない場所にも、結構な数を見る事が出来るのですが。
たしかに何なんでしょう?私、いくつかの仮説を立ててみました。

<推測1>
隣にあった電柱が何らかの原因で斜めに傾いてしまい、寄りかかったままになっているのではないか
……って、そんなわけないですよね?

<推測2>
例えば電線の引き込み方向が均等でない電柱は、左右まっすぐに電線が張られた物よりバランスが悪く、横からの支えが必要なのでは?しかしコレにも、一貫した法則性は見つからないようです。

斜めの電柱は何のためにあるのか?隣の電柱を支えているのか、それとも、ただもたれかかっているだけなのか。
電柱の所有者である、東北電力の担当者にお話を聞きます。配電グループの小泉雄一さんです。
ズバリ……斜めの電柱は何ですか?

「支柱です。そのままでは傾いてしまう電柱を補強するために、立てるのです」

意外というかやはりというか……斜めの電柱は、真っ直ぐな電柱を横から支えているのでした。
では、どんな場合に支柱が必要なのでしょうか?

電柱は電線の向きや足元の勾配、地盤などの関係でバランス良く立てるのが難しい事がよくあります。
小泉さんによると、電柱のバランスを取るためには通常「鋼より線(こうよりせん)」と呼ばれる、金属を束ねたワイヤーで引っ張るそうです。

しかし、本来「鋼より線」の設置に適当な場所が、どうしても道路や建物にかかってしまう場合、やむを得ずバランスを取る手段として支柱を立ててやるのです。

もちろん、支柱を立てる場所すら融通が利かない事があります。
そんな時は、例えばワイヤーを電線と並行に空中に通し、1本先の電柱からテンションをかけるなど、様々な工法がとられています。
電線の向きや周囲の道路、建物、地形などあらゆる条件を考慮して、その場所に最適な工法が行なわれているのです。

でも、明らかに傾いた電柱がそのままにしてあるのも時々見ますよね?
電柱としての性能や安全性に問題ないものは、パトロールや点検で安全を確認しながらそのまま使用しているそうです。震災でも県内の電柱は津波以外では倒壊しなかったそうで、安心して頂きたいというお話でした。

≪オマケ≫
今回は電柱や電線に関して、今さら聞けない素朴な疑問にも、東北電力の小泉さんにお答え頂きました。

鳥が止まっても感電しないのは、どうしてなんでしょう?ずっと気になっていたんですよね。
小泉さんによると、電線は絶縁体の被覆で覆われているからなのだそうです。
被覆とは電線を覆う電気を通さない材質のコーティング。鳥が止まっても感電する事がないのは、このためでした。

ただし、メンテナンスの時などに被覆を外しやすくするカバーがあるのですが、これを剥がして口ばしで突いてしまう鳥も時々いるそうです。そんな鳥さんは、当然可愛そうな事になりますよね。
人間が手で触る事も、万が一を考えると大変、危険です。絶対にやめて下さいね。

ちなみに街路樹は電線に触れてもすぐに問題ありませんが、長い間こすれていると電線の被覆が傷んで漏電してしまう危険もあるそうです。
そこで街路樹は、電話線には触れていても、電線には触れないように植栽されている事が多いのです。私も初めて知りました。

庭木などで伐る許可が得られない場合は、被覆の上にさらにカバーをかけて対応しているそうですよ。



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