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●Disc.99
「角田でサトウキビ!?」
今回は角田市にお住まいの細川栄子さんから、ハガキで情報を頂きました。ありがとうございます!
「今年、サトウキビを植えてみました。暑かったせいでしょうか、収穫が楽しみです。ぜひ見に来て下さい」
ええ〜っ!思わずひっくり返りそうになりました。
サトウキビといえば、沖縄や奄美地方を中心に栽培されている南国系の作物。角田で、東北で、そんな物が育つのか!?
疑問を抱えつつ訪ねてみますと何と何と、情報のとおりサトウキビが高さ3m以上にまで大きく生長していたのです。
細川さんによると、千葉県の生産者から取り寄せた苗を5月に初めて植え、さしたる苦労もないまま順調にココまで来たという事でした。
そもそものきっかけは、テレビで山形県の方が芋煮の食材をすべて県内産の物で調達出来ないかと、サトウキビからの砂糖作りにチャレンジしていたのを観て「宮城でも出来るでしょ」と思ったのだそうです。
好奇心旺盛、何でもひとまずやってみようという、細川さんの行動力にも感服です。
聞けば、10月末はそろそろ収穫の時期なのだとか。
ココまで順調に生育したとはいえ、やはり霜に当たるとひとたまりもないとか……。
その前に刈り取りを行ないます。
お手伝いさせて頂く事にしました。
作業はいたって簡単。
ノコギリで根元を少しひくと、結構あっさりとサトウキビを刈る事ができました。
20本ほど植えてあったサトウキビを、一部を残してあっという間に収穫したのでした。
ところで東北でサトウキビを収穫できたのって、やっぱりスゴイんですよね?県内各地のJAに確認した結果、生産者が1軒もなかった事はその証拠だと思うのですが……。
細川さんが苗を買ったという千葉県の生産者に、電話で聞く事にしました。
東金市の南国物産という会社の、平原章さんです。
平原さんによると、サトウキビの北限はせいぜい関東地方だろうと考えていたそうで、収穫できたと聞いて「あっぱれ!」と喜んで下さいました。
実は平原さん、サトウキビの産地として知られる鹿児島県は種子島の出身。
千葉県に移住してからもサトウキビ作りに挑戦したものの、2年ほどは試行錯誤の連続だったといいます。
そんな経験があるからこそ、東北で収穫成功という報せに驚かれたのでしょう。
「温暖化という話は聞いてたけど」と、少し興奮されていました。
あるいは、今年は特別暑かった事の影響もあるのかも知れません。
ちなみにサトウキビといえば、言わずと知れた黒糖の原料。
圧搾機で搾った果汁を、あくを取りながら加熱……黒くなるまで煮詰めて行きます。
平原さんも千葉県でサトウキビから黒糖を作っていますが、作業には普通、専用の機械が必要となるそうです。
細川さんのお宅にもちろん専用の機械はありませんが、何とか黒糖を作れないものかと、チャレンジしてみました。
サトウキビの皮を剥いで小さく切り、水を足しながらフードプロセッサーで細かくします。
残念ながら機械の力を借りられるのは。ココまで……。
細かく砕けたら、布袋に入れて果汁を搾ります。きちんと搾ろうと思うと、かなりの力仕事でした。
あとは搾り汁をフライパンで煮詰めて水分を飛ばすのですが、ココからの作業も結構な根気を必要としました。
待つ事ゆうに20分以上!
ようやく完成です。
水分が飛んだところ、こげ茶色の黒糖がフライパンの上に出来上がっていました。
いや〜感激感激。あっという間に固まり出すので、へらでこそぎ落として皿にとります。
細川さんと2人でおそるおそるかじってみると、おおっ少し苦味はあるものの、まさしく黒糖の味が!
おそらくは初の、県内産サトウキビによる黒糖です!!
細川さん、あなたはスゴい。
不可能を可能にした細川さんのチャレンジ精神に、思わずうなってしまう取材でした。
将来は、もっと規模を広げてみたいと話して下さいました。
ありがとうございましたm(-.-)m
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